厚生労働大臣賞(特選)を受賞された 隈元 康一 氏 に、職業能力開発論文コンクール事務局(基盤整備センター)がお話を伺いました。

受賞作品:CAD/CAMおよび三次元測定機を活用した実習教材における
     訓練効果の検証
受賞者 :隈元 康一
    (栃木職業能力開発促進センター)

表彰式の様子

Q.厚生労働大臣賞(特選)のご受賞、誠におめでとうございます。まず、受賞されたお気持ちをお聞かせいただけますか。

A.この度は、厚生労働大臣賞(特選)という名誉ある賞を受賞することができ、大変光栄に存じます。受賞の知らせを聞いたときは、「まさかっ!」と大変な驚きと動揺がありましたが、現実であることがわかり、今後職業訓練指導員としての仕事を全うするうえで、大きな自信になりました。

Q.今回応募された論文を執筆された経緯(きっかけ)を教えてください。

A.令和6年度に応募した教材コンクールの教材を使用して、得られた訓練効果の検証結果を論文にまとめて執筆しようと考えました。教材を使用して製品を製作するだけではなく、受講生にとってどのようなメリットがあったのか、検証する必要があったためです。

Q.今回の論文を通じて、どのような方々に読んでいただきたいとお考えでしょうか。また、業務や現場でどのように活用されることを期待されていますか。

A.特に20代後半から30代の機械系職業訓練指導員に読んでいただきたいと考えています。これからCAD/CAMや三次元測定機を使ったスキルを身につければ、CADで設計したものを実際に具現化し評価できると思います。

Q.論文を作成する際に、特に留意された点や工夫された点があれば教えてください。

A.同じような論文が他に投稿されていないか十分に調査しました。また、新規性につながる要素は何かを考えて執筆しました。

Q.今後、この研究や取り組みをどのように発展させていきたいとお考えでしょうか。

A.今回は機械製図の教科書を参考に図面の製作を行いましたが、今後は油の吐き出し量を決定し、歯車や軸およびケーシングの仕様を検討するなど、機械設計やCAEの要素を取り入れて、設計分野への就職も可能となるように実習教材のレベルアップを図りたいと考えています。また、CAD/CAMおよび三次元測定機については、能力開発セミナーへの展開も可能であるため、実績の確保に繋げたいと考えています。

Q.現在、業界や分野で特に注目しているテーマや課題があれば教えてください。

A.特に注目している技術は非接触型の測定技術です。現在在籍しているポリテクセンター栃木には、3Dスキャナーが導入されており、今後はこの3Dスキャナーを使用して非接触の測定技術を身につけ、教材開発に取り組んでいきたいと考えています。

Q.今後、同様の応募を検討されている方々に向けて、アドバイスやメッセージをお願いいたします。

A.まず「やってみようかな」と思っているだけでは、絶対に投稿まで到達できません。業務で忙しいなど言い訳を見つけず、「絶対に応募する!」といった強い信念と覚悟が必要です。信念と覚悟がある方はぜひ挑戦してください。
 また、ベテラン層や準ベテラン層の職業訓練指導員はぜひ積極的に挑戦してみてください。これまで製作した教材や得られた経験を論文にまとめ発表することで、中堅層や初任層への良い刺激になり、今後応募を検討する可能性があるかもしれません。

Q.最後に、受賞を機に新たに挑戦したいことや目標があればお聞かせください。

A.職業訓練を実施するうえで、やはり共通して言えることは「感動した経験」を得ることが非常に大きなポイントであると考えています。「歯車ポンプ」を製作し実際に稼働したときに、受講者の方が「とても感動しました。」と話してくれたことを、今でも覚えています。
 今後もこのような「感動した経験」を得られるようなテーマを見つけ、教材コンクールおよび論文コンクールに応募したいと考えています。