大学校及び設置科 東北職業能力開発大学校 建築施工システム技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、応用構造力学、建築生産管理、施工実験、木質施工・施工管理実習、施工管理
課題に取り組む推奨段階 木質構造施工・施工管理課題実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主に企画、施工計画、施工・施工管理、評価、省力化、合理化といった技術の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

昨今の環境への意識の高まりや、最終処分場不足などを抱える廃棄物問題などを背景に、建築生産はスクラップアンドビルドではない手法が求められています。
古来、日本の木造住宅では移築、増築、改築によるリユース(再利用)は、ごく一般的に行われていました。近代化により経済性が優先された結果、リユースの技術も失われつつあります。
これからの日本の建築生産技術は、環境に配慮し、合理的に再生する事を求められています。
本課題実習では、建物を解体時に粉砕し埋め立てる現在の解体方式から、建物を丁寧に解体し、可能な限り部材をリユースしていくことができるようにする方式を提案するため、木造施工・施工管理実習で建築した建物を対象に解体工事を管理・施工しました。構法的および工事者的側面(人工数)から整理・考察し、解体工事の工事管理・管理報告書作成を目的としました。

成果

開発課題から、リユース部材の取得には、詳細な解体工事計画と取得部材の事前選定を行うことが重要であることを習得できました。社会的な問題から必要とされる課題を設定し、事前調査、施工計画、施工・施工管理、評価の流れから、省力化、合理化などの試行を繰り返しながら実施しました。また実施段階では、1年生を専門工事業の技能者とし、2年生が管理者として、それぞれの立場で必要な品質管理等を実践していきました(図1)。
学生は開発課題を通して、企画力、リーダーシップ力、調整力、マネジメント力、分析力、実践力、プレゼンテーション力を個々の学生のキャラクターに応じてバランスよく展開し、習得に努めることができました。
木造住宅の解体工事に関する施工管理法の提案 -木質資源のリユースに関する取り組み-(H20)の画像1
図1 木造住宅の解体工事