能力開発データベース

■能力開発技法

ハートのエース





■目的

一連の適切な質問によって、あらかじめ定められた到達点へ、人を導くことができることを実証し、質問の仕方の重要性を理解します。

■人数/時間

人数: 何人でも可能
時間: 5分位

■道具

トランプ一式。

■進め方

目指す到達点を明確に知っていれば、適切な質問をすることで、その到達点に会話を導くことができることを示します。たとえ無関係な答えであってもそれを受け入れ、到達点に近づくための別の質問のきっかけとして、その答えを利用します。

  1. 受講者1名を選ぶ。
  2. 選ばれた受講者1名にハートのエースを見せる。
  3. 次々に質問をする。
  4. 最終的にハートのエースにたどりつく。

[講師と受講者との対話例]

クラスの中から選ばれた受講者1名にハートのエースを見せます。

講師Q. 「これは何ですか?」
受講者A.「ハートのエースです。」
講師 「そうです。これからあなたに、最後にハートのエースと答えてもらうように質問します。」
Q. 「それでは質問をはじめてもよろしいですか?」

Q. 「トランプは全部で何枚ありますか?」
A. 「52枚あります。」
Q. 「何種類のカードがありますか?」
A. 「4種類です。」
Q. 「色は何種類ありますか?」
A. 「2色です。」
Q. 「それは何色と何色ですか?」
A. 「赤と黒です。」
Q. 「黒のカードは何ですか?」
A. 「クラブとスペードです。」
Q. 「赤のカードは何ですか?」
A. 「ダイヤとハートです。」
Q. 「さて、ダイヤとハートのうち、どちらかひとつを選んでください。」
A. 「ハート。」

[もしダイヤを選んだなら、「はい。それでは残ったのは何ですか?」と質問します。]

Q. 「ハートのカード13枚のうち、最も弱いカード3枚は何になりますか?」
A. 「2、3、4です。」
Q. 「最も強い3枚のカードは何ですか?」
A. 「クイーン、キング、エースです。」
Q. 「この3枚のうちどれか1枚を選んでください。」
A. 「エース。」

[もしキングを選んだら、「はい。では残りは何ですか?」というように、「エース」と答えるまで続けます。]

Q. 「何のエースですか?」
A. 「ハートのエースです。」
Q. 「その通り、ハートのエースです。」

自分が言いたいこと(到達点)を自分の口から言うのではなく、相手に言わせることによって、納得の度合いは高くなります。例えば、相手のニーズ/課題の発見、問題点の合意などに応用すると効果的です。