能力開発データベース

■能力開発技法

バズ・セッション






概要 特徴と効果 実施の手順 実施・開発上の留意点

■概要

ブレーン・ストーミングの変形の一種で、メンバーの数が多いときに、全体を6人くらいずつの小さな分科会に分けて、それぞれの分科会ごとにブレーン・ストーミングを実施して、その結論を全体会議に持ち寄るやり方のことです。

バズとは、ハチがブンブンという音のこと、セッションとは、会議のことをいいます。

30人とか50人、時には100人くらいの大勢の人が大きな会議場に集まり、たくさんの分科会が、まさにハチの巣を突っついたときのように、ブンブン、ガヤガヤと、にぎやかに会議を開催します。


■特徴と効果

バズ・セッションには次のような利点があります。

  • かなり多くの人数でも自由な活発な討議ができる。
  • 分科会の中では、それなりに密度の高い討議ができる。
  • 分科会と全体会議とを効果的に組み合わせることによって、全体としての整合や統一をはかることができる。

■実施の手順

バズ・セッションのやり方を強力に推奨したのは、ヒルスデイル大学のドナルド・フィリップス学長です。彼は、テーマを細かく分けて、6人ずつのブレーン・ストーミングをやる、という方法を提唱しました。そこで、このやり方を「フィリップス66会議」と呼ぶこともあります。

「6人で6分ずつ」というのはひとつの標準であり、人数の都合によっては10人くらいになっても良いし、所要時間も20分から30分くらいは必要なことも多くなります。

事前準備として、あらかじめいくつかのテーマを用意しておく。これを次の5つのステップに従って、ひとつずつ討議を進めていきます。

第1ステップ
参加者全員に対して、バズ・セッションについてのあらましを説明する。

第2ステップ
参加メンバーを6人くらいずつの分科会に分ける。

第3ステップ
グループごとにリーダーや書記役を決める。

第4ステップ
テーマをはっきりさせた上で、合図とともに、いっせいにバズ討議を開始する。

第5ステップ
グループごとの結論を全体会議に報告する。

■実施・開発上の留意点

グループ・メンバーの構成については、格別な規制はありません。あらかじめ年齢や職業などを考慮して決めておいてもよいし、その場で自由に組むようにしてもいいでしょう。

なお、テーマの数が多いときでも、グループ・メンバーの組み替えはしないのが普通です。

バズ討議が一区切りついたら、それぞれのグループのリーダーがそれぞれの結論を全体会議(ゼネラル・セッション)に報告します。

バズ・セッションの進行が順調に運べるようにするためには、総合司会の役割を果たす人は、次のような点に注意が必要です。

@討議用の適切なテーマを用意すること。
A参加メンバーにバズ・セッションのあらましを要領よく解説し、理解させること。要点を解説したシートを用意して配布するとよい。
Bグループ分けを手際よく行うこと。
Cバズ討議の様子を注意深く見守ること。
Dうまくいっていないグループがあれば、上手に介入して手助けすること。
E全体会議でのまとめを上手に処理すること。
F必ず何らかの結論を出すこと。