能力開発データベース

■能力開発技法

プレゼンテーション





概要 実施の手順 実施・開発上の留意点

■概要

ビジネス上の計画または販売のプロセスの中で、社内外の関係者、または顧客の賛同、購買への促進、決断を進めるために行う発表をプレゼンテーションといいます。ニュービジネスの出現などを背景に、複雑化し、スピードが求められる情報社会において、迅速で、正確な意思決定を促すプレゼンテーションの必要性が見直されています。

対外的な営業活動だけでなく、企業内でも、ある企画案を他の関係部署や経営上層部に提示して賛同、承認を得るためには、目的に合ったプレゼンテーションの工夫や努力が必要です。

たとえば、社内教育研修部門が新規の新入社員研修体系を導入しようとする際にも、このプレゼンテーションが要求されます。
社内の関連部署に対し、導入の目的、新規改定の理由、改定のメリット・効果、あるいは実施にあたっての運営・協力体制等を提示、説明し、実施に移すための賛同、承認を得るために行う発表です。


■実施の手順

マーケティングやセールスの効果的な進め方については、「アイドマ(AIDMA)の法則」といわれるやり方が提唱されています。
これはプレゼンテーションの効果的な進め方についても概ね妥当するものです。

AIDMAの法則は次の5つのステップに従って進められます。

  1. A: Attention(注目)
    お客に商品に対し注目させる。

  2. I: Interest(興味)
    商品に対して興味・関心を抱かせる。

  3. D: Desire(欲望)
    買いたいという欲望を起こさせる。

  4. M: Memory(記憶)
    商品の知識・情報を記憶させる。

  5. A: Action(行動)
    購買行動を起こさせる。
相手を同意して納得させるには、相手の感情や視覚に訴える工夫と努力が大切です。そのためには、グラフやチャート、イラストをはじめ、ビデオ、映画、模型、展示、実演など、様々な方法を駆使することが肝要です。

■実施・開発上の留意点

プレゼンテーションの実施に際しては、次のような点に留意することが重要です。

@ プレゼンテーションの目的を明確にする。
A プレゼンテーションの対象を明確にする。
B 出席者の顔ぶれを把握しておく。
C プレゼンテーションの影響範囲を予測する。
D 時間設定、内容構成に見合った資料を作成する。
E リハーサルを行う。
F 場所を確保し、部屋のレイアウトを確認する。
G 視聴覚器材および電源の有無を確認する。
H 出席人数を確認する。
I 必要部数の資料を準備する。
また、プレゼンテーションでは、その前提として、売り込みをはかる企画案そのものが独創的なアイデアによってデザインされたものでなければなりません。そこで、“アイデアの開発”ということが重要なポイントとなります。
アイデアとは、何かの問題の解決に役立ちそうな観念、想念、着想、思いつき、ひらめき、発想のことです。
新しいアイデアは「既存の要素の新しい組み合わせ」のことであるといえます(ジェームズ・W・ヤング『アイデアの作り方』(TBSブリタニカ))。
アイデアの作り方として、ヤングは次の5つのステップを提唱していますが、オズボーンをはじめ多くの人の提唱するものもほぼ同様であり、有益な示唆に富んでいます。