令和元年11月29日から30日にかけて、「PTUフォーラム2019」が職業能力開発総合大学校において開催されました。多くの方にご来場いただき、誠にありがとうございました。
 本フォーラムの開催に際し、東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センターの梅田教授から基調講演として「ディジタル時代のものづくり人材に求められるもの」についてご講演いただきました。本講演では、インダストリー4.0 に代表される急速なものづくりのディジタル化の動きを取り入れつつ、我が国の強みを活かすべく、ものづくり分野での変化のトレンド、今後の日本型生産システムの在り方、生産技術者の役割の変化とその教育の在り方についてお話していただきました。質疑応答の時間も大いに盛り上がり、全国から集まった独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の職員から挙がった質問に対して、梅田教授も深く同調されていらっしゃいました。
 また、29日午後から30日午前にかけては、職業能力開発研究発表講演会が行われ、145件の発表件数のもと、10会場で12のセッションが設けられました。今回のオーガナイズドセッションでは「技能科学」が設けられ、技能・技術伝承の計画から指導方法、企業における技能研究とグローバル展開までの発表が行われました。中小企業診断士や日産自動車株式会社からも講演者を招いており、活発な議論がなされました。

  • 基調講演「ディジタル時代のものづくり人材に求められるもの」

  • 基調講演「ディジタル時代のものづくり人材に求められるもの」

  • 職業能力開発研究発表講演会

  • 職業能力開発研究発表講演会

 今年度設けられた「安全工学」では、ミドリ安全株式会社のシニアテクニカルアドバイザーから「改めて見直される個人用保護具」をテーマとしてご講演いただきました。この講演では、近年多くの職場でリスクアセスメントが導入され、個々の作業の危険・有害要因を深く観察する習慣が増えてくるなか、「個人用保護具に頼らざるを得ない」といった声が増え、改めて正しい選択、使用、管理を習得しておくことについてお話しいただきました。
 本フォーラムを締めくくる特別講演では、表具師の岸野氏から「日本美術を楽しむための表具~今、伝えるべき表具の魅力~」をテーマとしてご講演いただきました。本講演の中盤からは特別出演として、書家の根本氏との対談が行われました。ユーモアの溢れる会話に会場も盛り上がり、特別講演を聴講されていた近隣の市民の方々からは「来年も楽しみにしている」との声が多数ありました。

  • 特別講演「日本美術を楽しむための表具~今、伝えるべき表具の魅力~」

  • 特別講演「日本美術を楽しむための表具~今、伝えるべき表具の魅力~」

  • 特別講演対談

  • 特別講演対談