2023年2号「技能と技術」誌312号
6/30

表6 授業録画の視聴について表7 資格対策等の動画コンテンツについて表8 各動画コンテンツの視聴の有無についてが画像の乱れや粗くなることも少なくなり,結果的に受講者の満足度が増加するようである。オンライン訓練では,授業の様子を録画機能によって記録し,授業後に動画を確認できるようにしている場合がある。この授業を録画した動画を授業後に見返すことがあるかについてのアンケート結果を表6に示す。この結果より,学生の大半がたびたび授業の動画を見返していることが分かる。この頻度については,ノートがとり切れなかったときや,テスト前に確認のために見ると言った場合が多いようであった。表7には,表1に挙げた資格対策等の動画コンテンツをどの程度見たことあるのかについての結果を示す。1年生と2年生で多少の差異はあるが,特に2年生にあってはほとんどの学生が動画を見たことあると回答した。2年生が多い理由は,1年生の時に合格できなかった資格試験について,復習するた-4-めに確認している学生が含まれているためであるようである。特に,指導員が多忙のためになかなか質問できない場合においては,放課後に教室のプロジェクタを活用して当該動画を教室で投影し,複数の学生で再生,停止を繰り返しながら視聴している様子も散見された。このような動画の活用方法も,オンライン訓練をうまく活用した,新しい学習の形態であろうと思われる。今回のアンケート結果より,オンライン訓練を実施して2年が経過したところ,おおむね学生からは受け入れられている一方で,ホワイトボードを使用した提示方法において,一部課題もあることが分かった。タブレット端末を使用した授業は学生からは評価が高かったが訓練を実施する指導員側からは,画面が小さく書き込みにくい,画面の表面がすべりやすく文字がきれいに書けない,画面が固定されないので目が疲れると言った問題点も分かっている。そこで,新たな取り組みとして,電子黒板(EPSON EB-1485FT)を導入することとした。筆者らは,電子黒板を教室(座学中心)と,CAD室(パソコンを使用した実習中心)の2教室に導入した。電子黒板を導入した教室の様子を図5に示す。一般に電子黒板は液晶ディスプレー上に映し出すタイプとプロジェクタ同様にホワイトボードないしスクリーン上に投影するタイプがあるが,本科では後者のホワイトボード上に直接投影するタイプとした。これは,電子黒板をオンライン訓練のみでなく,対面授業でも活用しようとした場合,液晶型では画面が小さくなってしまい,後方の座席からは見えにくくなってしまう恐れがあるためである。また,ホワイトボード型の電子黒板であれば,例えば体調不良や濃厚接触者への指定等で欠席する学生がいる場合,対面授業をリアルタイムに配信したり,そのまま授業を録画することができる利点もある。この電子黒板では,ホワイトボードにディジタルデータあるいは書画カメラの画像を映し出し,電子ペンまたは指で直接なぞることで書き込みが可能で4.電子黒板システムの導入

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る