2023年2号「技能と技術」誌312号
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図1 オンライン訓練中の様子千葉職業能力開発短期大学校 五十嵐智彦・栗秋 亮太令和2年春の新型コロナウイルス感染症の流行を契機として,全国の大学,高専,能開施設等においてオンライン授業(訓練)が広く実施されている。オンライン訓練によって,従来であれば休講の措置を取らざるを得なかった場合においても,学生の受講機会を奪うことなく授業が実施できるようになった。全国の職業能力開発大学校においても,令和3年度春より一部の学科科目においてオンライン訓練が実施されることとなった。これは,新型コロナウイルス感染症対策のほか,ICT活用技能の習得もその目的の一つとされている。筆者らは,令和2年夏から大手電気設備工事業の企業と共同で,遠隔方式による研修の実施について検討を行い,実際にリアルタイム型の遠隔配信により100名規模の研修の実施について支援を行った1)。また,学卒者訓練においても令和3年度からオンライン訓練の配信システムを構築し,その運用を行ってきた2)。現在,オンライン訓練配信システムの運用からほぼ3年が経過し,オンライン訓練も軌道に乗ってきたところであることから,オンライン訓練の担当講師や千葉職業能力開発短期大学校電気エネルギー制御科(以下,本科という)の学生からの意見を集約したうえで,今後も継続してオンライン訓練を展開するにあたっての問題点等を把握し,その対策を検討したので報告する。-1-筆者らが構築したシステムを使用してオンライン訓練を実施している様子を図1に示す。また,本配信システムの構成を図2に示す。本配信システムでは,Web会議システムであるMicrosoft Teams(以下,「Teams」という)を使用している。学生には1人1台のノートパソコンが貸与され,各個人の自宅にて講座を受講している。講師も配信用PCを用いて授業を配信し,(1) ホワイトボード(図3),(2)資料提示用PC,(3)書画カメラ,(4)タブレット端末(iPad)等を用い,これらをスイッチャ(ATAM Mini Pro)によって切り替えることで授業を行った。1.はじめに2.オンライン訓練配信システムの概要オンライン訓練の取り組みと電子黒板の導入

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