2023年2号「技能と技術」誌312号
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図8 OCRの始動時の様子図9 UVRの動作時の様子図10 別電源による模擬地絡電流の発生図11 模擬地絡電流の生成回路参考文献-9-「内線規程」,JEAC8001-2016,日本電気協会「高圧受変電設備規定」,JEAC 8011-2020,日本電気協会「自家用電気工作物保安管理規定」,JEAC 8021-2018高圧受変電設備は,6600Vを100/200Vに変圧する機能だけではなく,短絡,過電流,地絡,電圧低下等の異常発生時に,電気設備を安全に停止,警報できる保安上の機能を有している。実際の受変電設備でこのような現象を目にできる機会はほとんどない。また,力率を極端に悪化させたり,OCRの整定電流以上の電流を流すといったような通常の受変電設備では過負荷状態である事象も,教材では安全に再現することができる。そこで本実習装置では,実際の受変電設備では通常体験できないような電気的な現象を模擬的に再現できるような工夫を行った。以下にその一例を示す。⃝ 負荷装置により,OCR整定電流以上の電流を⃝ 母線電源側に設けた電圧調整器によって,母線電圧を下げ,UVRを始動,動作させる。(図9)⃝ 零相変流器(ZCT)に別電源による微小な電流(模擬地絡電流)を流し(図10,図11),GRを始動,動作させる。⃝ 負荷装置により,LBSおよびPCに過電流を流⃝ 負荷力率を変動させることによって,APFCの本稿では,高圧受変電設備の保守点検技術の養成に供する,実習教材の制作について報告した。制作した結果,目標とした3つのコンセプトを達成した教材を制作することができた。今後は,テキストの作成と訓練効果の検証を行う。流し,OCRを始動,動作させる。(図8)し,ヒューズを溶断する。自動投入,自動解列を行う。4.本装置が再現できる機能5.まとめ

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