2023年1号「技能と技術」誌311号
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図8 試作品図9 学内プールでの実演の様子図10 改良品と開発メンバー図11 マリーナでの取材撮影の様子機能要件をもとに,機械科では本体を,電気科では無線通信とモータ制御回路基板を設計製作し,電子情報科では920MHz帯の無線通信実験などを行った後に遠隔操作ソフトウェアを作成し,ロボットを試作した。試作品を図8に示す。7月20日,福田氏に向けて試作品を披露し,デザインレビューを実施すると共に,学内プールで実演を行った。また,この日からNHK北九州による密着取材撮影が実施された。はじめに,実機と共にロボット名「海の宅配便」が披露され,次に,ロボットの基本仕様と2カ月間の各科の成果を説明し,レビューを行った。その後,学内の自作プール(全長7.2m,幅1.8m,水深0.7m)で5kgの重りを載せて航行するなど,実演をした。学内プールでの実演の様子を図9に示す。レビューでは,ダイバーへの3つの安全対策に加えて,アルミフレームの先端にけが防止キャップを取り付ける等,細やかな対策を確実に講じることが確認され,実演では,ダイバーがごみを積載する際にフロートをつかむことが想定されるため,ロボットの浮力や浮上バランスが確認された。-4-9月30日,福田氏と共に新門司マリーナの1号桟橋で,改良した試作品を用いて紫川の流れを想定した航行実験を行った。改良品と開発メンバーを図10に,マリーナでの取材撮影の様子を図11に,マリーナでの実演の様子を図12に示す。はじめに改良点として,ごみを載せやすいようにフロートの配置を変更したこと,Google Mapに現在位置を表示する遠隔監視画面を作成したこと,潜水中を示す潜水旗を掲揚したことを説明した。次に,潮の流れがある中で,目的地に向けて航行できることを実演した。当日は中潮の引き潮ではあったが,風もなく流れは緩やかであり,ロボットを20m離れた流れのある海域まで航行させたが,潮に押し流されたり,無線通信が途切れたりすること無く,ゆっくりではあるが確実に航行することができた。途中,ロボットにつけていた命綱がスラスタに巻き込まれるというインシデントが発生したため,改めてダイバーへの安全対策の必要性を再確認することができた。4.試作品の披露と学内プールでの実演5.試作品の改良とマリーナでの実演

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