2023年1号「技能と技術」誌311号
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図1 TB10型,各状態における動力関係操作レバーの位置て表1に示す。同じくTB10型の地上および運航(飛行)中の操作レバーの位置について図1にまとめて示す。別表1 TB10型 試運転点検表の項目番号と照合し,「各操作の目的」「そのとき起こる現象」「良否判定基準」「故障探求」「調整方法」について解説する。TB10型のエンジンは,自然吸気4サイクル水平対向4気筒,一般的航空機用ピストンエンジンであり,各シリンダ(各気筒)に2本の点火プラグをもつ。また,ダイレクトドライブ(直接駆動)であり,エンジンとプロペラの回転数は常に等しい。3.1 点検表1-4,6,7,8,9の確認この確認は,その後の1-11プロペラ・クランキング(手回し)時の不意の点火による事故の防止のために実施している。-17-3.2 点検表1-10フラップスイッチ位置の確認この確認は,その後の1-21電源オン時に不意にフラップが動くことによる事故の防止のために実施している。3.3 点検表2-8エンジン始動前のインジェクショスロットル・レバーをアイドルからフル,フルからアイドルに戻す操作を1回とする。加速ポンプ(ダッシュポット)を利用しているため操作速度により注入量が変わるので,普通の速度(アイドルからフルまで1秒程度)での回数で示す。暖機ができている状態では1回行うのが最も良い。2-11スターター(始動機)オン後3秒以内に始動できる。当日の最初の始動時には3回が妥当である。寒季においては,それでも始動できないことが多く,その場合にはスターターを回しながらインジェクション操作(スロットル・レバーを前後に動かす)を複数回行うことで10秒以内に始動できる。3.4 点検表3-Aエレクトリカルパワー・チェックこの点検は,夜間飛行に必要十分な電気負荷を与えた状態で,オルタネータ(DC発電機)の発電量ン(燃料注入)回数3.ピストンエンジン飛行機の地上試運転

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