2023年1号「技能と技術」誌311号
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動力関係を操作する主なものは3本のレバーとマグネト・セレクタである。以下の内容は,ほとんどこの4つの操作についてである。地上試運転における操作に加え,運航(飛行)中の操作についても記述している。全般的に,「操作により定まる量・定まらない量」「操作の目的」「起こる現象」「良否判定基準」「故障探求」「調整方法」「変化したこと・変わらないもの」「操作順の理由」という観点で整理した。推定によらざるを得ない部分もあるが,なるべく具体的に数値で示すようにした。「操作レバー全般」を2に,「地上試運転(一部巡航飛行時)」を3に,「アフターバーニング事象(地上)」を4に,「プロペラ・ガバナーの働き(主に巡航飛行時)」を5に,「レバー操作の順(巡航飛行時)」を6にまとめた。一般的に,可変ピッチプロペラを装備したピストンエンジン飛行機の操縦席にある動力関係の操作レバーは次の3種類である。タービンエンジンプロペラ機(ターボプロップ機)もほぼ同様である。左(黒): スロットル・コントロール・レバー(以下,略して スロットル・レバー)中(青): プロペラ・コントロール・レバー(以下,略して プロペラ・レバー)-15-右(赤): ミクスチャ・コントロール・レバー(以2.1 スロットル・レバー操縦席スロットル・レバー(黒)の操作により最終的に動くものは,気化器またはインジェクタ内の円形のスロットル・バルブである。このレバーは自動車のアクセルペダルに相当する。スロットル・下,略して ミクスチャ・レバー)1.はじめに2.ピストンエンジン飛行機の動力関係操作レバー動力関係操作に関わる技能の維持・継承千葉職業能力開発短期大学校成田校 合田 祐三郎ピストンエンジン飛行機の

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