2023年1号「技能と技術」誌311号
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図14 アロー機によるエンジン実習図15 エンジン実習における試運転表4 航空整備士の分類(飛行機)示す電子・計測実習室内に設置した4台のシミュレーターも活用し,十分な実習時間を確保し技能・技術を習得している。③発動機整備実習 図14に示すようなトップオーバーホール作業,エンジンの取り外し・取り付け,プロペラの日常点検・定期点検の内容などを学び,発動機全般の整備方法を習得する。さらに図15に示した試運転場において自分たちで整備したエンジンの試運転の方法を習得する。(3)二等航空運航整備士の資格取得には以下の3つの試験に合格しなければならない。①二等航空運航整備士学科試験 国家資格の第一歩で1年生の3月に3科目の学科試験を受験する。②二等航空運航整備士基本技術Ⅱ試験 2年生の10月に法規関連項目に加え13項目に及ぶ基本技術Ⅱ(計14項目)にわたる航空機整備基礎関係の技能審査を受験する。なお,基本技術Ⅰ-13-ではなく基本技術Ⅱを取得することにより,航空会社就職後,上位資格である一等航空整備士の資格を取得する際に試験科目の一部が免除となる。③二等航空運航整備士専門技術試験 2年生の2月には,12項目に及ぶ整備に必要な知見及び技術と日常点検1項目の計13項目にわたり,最終試験となる専門技術関係の技能審査を受験する。この試験では,学生が普段の整備実習で取り扱っていて慣れ親しんでいる成田校保有の飛行機が試験機体として使用されるため,精神的な安心感が得られている。5.3 二等航空運航整備士について航空機には,大きく分けて飛行機(ジェットエンジンやレシプロエンジンがある)と回転翼航空機(ヘリコプターと呼ばれてるもの)がある。前者については,機体の大きさなどから大型機と小型機に分類され,表4のとおり航空機整備に必要となる国家資格も細分化されている。成田校では,小型飛行機の整備実習を通して,二等航空運航整備士の取得を目指している。この二等航空運航整備士資格で整備できる範囲は,表5に示すように,航空機整備の分類の中のライン整備に限られる。大がかりなドック整備を行うためには,航空整備士の資格が必要であり,航空会社に就職後実務経験を経て資格取得を目指すこととなる。例えば,成田校修了生の場合,成田校が国土交通大臣指定航空従事者養成施設であることから,在籍年数が実務経験として計上できるため,大型機のドック整備を行うことができる一等航空整備士の受験資格は,実質企業での2年の実務経験(大型機の6箇月以上の整備経験を含む)で得られる。参考までに一

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