2023年1号「技能と技術」誌311号
14/44

図10 ボルトの締結実習図11 機体整備におけるジャッキアップ図12 グラスコックピットの取扱い実習図13 コックピットのシミュレーター整備士の国家資格取得を通して,航空機整備分野に必要なテクニシャン・エンジニアの育成を教育訓練目標としている。5.2 航空機整備科の3つの技術と関連科目航空機整備科で身に付けることができる技術は大きく飛行機の基本的な知識,実際の飛行機での整備作業,二等航空運航整備士の資格取得の3つに分けることができる。(1)知識関連科目では,飛行機はなぜ飛ぶのか(工学的理論),飛ぶためのルールは何か(法規)などを踏まえ,飛行機の基本的な知識を習得する。以下に,代表的な3科目を紹介する。①航空力学・航空法規 力学関連科目では,飛行機の翼の特徴,揚力及び抗力の発生原理などを習得する。また,航空法規では単に関連法規を習得するだけでなく,ヒューマンファクター(人間の能力と限界)についても理解する。②材料学・機体学・機構学 飛行機はどんな構造か,材料は何か,どのように動くのか,などを習得する。③発動機・プロペラ・装備学 エンジンやプロペラはどうして動くのか,装備品は何か,などを習得する。(2)整備作業関連科目では,主に整備に必要な機械要素,電気・電子要素となる技能・技術に加え,実際の飛行機の整備実習を通して,整備士に必要な技能・技術全般を習得する。以下に,代表的な3科目を紹介する。-12-①航空機基礎整備実習・機体実習 航空機基礎整備実習では,ボルト・ナット・リベット等の接合方法やケーブル作業などを習得する。図10にボルトの締結実習の様子を示す。また,機体の整備方法に関する実習では,図11に示すような機体のジャッキアップの方法や機体の各部分の動作などを学び,機体整備の技術を習得する。②電気・電子・計器実習 電気部品・無線機器・計器等の取扱いや整備方法を図12に示すような実機(Piper社製アロー機)のコックピット内で実習するとともに,図13に

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る