2023年1号「技能と技術」誌311号
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表2 設置科と定員図4 成田校本館スコートなどから構成されている。また,成田校は,千葉県成田市並木町に敷地面積約34,000㎡の土地に設置されており,本館(図4),実習棟,航空機格納実習棟,試運転場,視聴覚教室,セミナーハウス,学生食堂を併設した学生寮,体育館,グラウンド,テニスコートなどから構成されている。設置科及び定員は表2に示すとおりであり,専門課程5科と専門課程活用型デュアルシステム訓練1科計6科のうち成田校に設置されている科は,前述のとおり生産技術科及び航空機整備科の2科である。職業訓練短期大学校の設置が始まった昭和49年当時は,高校進学率の急激な上昇とともに,より高-9-度な内容をもつ新しい訓練課程が求められるようになった。また,著しく進展する技術革新の中で技術者と技能者との中間にあって,技術開発・品質管理・設備機械の整備保全等の分野で,直接・間接問わず技術者を補佐し,技術部門と生産部門との間の連絡役を務めるテクニシャンに対する需要が急増している時期でもあった。当時の総合高等職業訓練校における養成訓練は,直接生産現場に就労する一般技能労働者の養成を目的とするものであり,テクニシャン・エンジニアのような新しいタイプの技能労働者の需要に応えられるものではなかった。さらには,我が国が技術立国として,持続的な経済成長を実現していくためには,基幹産業を各地域で支える中小ものづくり企業における技能・技術者の存在が不可欠であり,特に,中小企業を中心として技能・技術の伝承やものづくり技術を支える人材の確保・育成という課題もあった5)。こうした要望に応えるために,全国に職業能力開発短期大学校(愛称:ポリテクカレッジ)を設置し,技術革新に対応できる高度な知識と技能・技術を兼ね備えたテクニシャン・エンジニアの育成を目的とした専門課程を実施している。さらに,全国10箇所の職業能力開発大学校では,産業界や地域のニーズに応じて,新製品の開発,生産工程の構築等に対応できる将来の生産技術・生産管理部門のリーダーを育成することを目的とし,専門課程2年間に加え,さらに2年間学ぶ応用課程を実施している。以下,成田校に設置されている専門課程の生産技術科及び航空機整備科について紹介する。4.1 生産技術科の教育訓練目標世界的な製造業のグローバル化や技術革新に伴い,日本の製造業にはこれまで以上に高付加価値化,短納期化,低コスト化が求められている。また,精密機械部品に見られるような複雑化した形状3.テクニシャン・エンジニアの育成4.生産技術科におけるテクニシャン・エンジニアの育成

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