2022年4号「技能と技術」誌310号
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〈参考文献〉受講生の分析をする観点を持つことが難しく,今回実施した研修内容では解消できなかったためだと考えられるが,「?」回答は大人数ではないため,個別に受講生の分析に関する研修を受講することで解消可能と考えられる。指導員の安全衛生に関する研修の効果をPROBEモデルにより分析した。結果,多くの項目に変化があり,特にA1の最新の情報とE3の訓練の環境について効果があったと考えられる。また,研修とPROBEモデルを組み合わせることで,指導員に安全に関する気づきを与えると共に,他にどのような研修を受講するべきかを把握する事が可能と考えられる。今回使用したPROBEモデルは回答基準が明確でなかったため,回答にばらつきがあった。今後は基準を明確化し,研修前後の回答変化だけでなく,指導員の回答結果の傾向も分析する必要がある。また,個別対応するべき項目の抽出にも寄与する可能性が示唆された。-3-[1]THOMASF.GILBERT,“AQuestionofPerformance.Part1:ThePROBEModel”,TrainingandDevelopmentJournal,Vol.36,No.9,pp20-22,24-30(1982).[2]THOMASF.GILBERT,“AQuestionofPerformance.PartII:ApplyingthePROBEModel”,TrainingandDevelopmentJournal,Vol.36,No.10,pp85-89(1982).PROBEモデルの回答はYesで○,Noで空白としていたが,○が△,×を連想させたことが原因と考えられる。次回はYesならチェックマークを入れる等に変更し,想定外の回答を減らすことを検討する。また,グループでの議論では活発に意見交換をしているグループとそうでないグループで別れてしまっていたので,休憩時間ごとに人を入れ替える等の方法でより多くの人と議論できる機会を与えたほうが研修の効果が高まった可能性があると考えられる。初任層向けの研修では全ての項目が〇回答にはならなかったが,今後は受講生自らPROBEモデルを活用し,自分に必要な自己啓発を効率的に行えるような研修を行いたい。5.まとめ

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