2022年4号「技能と技術」誌310号
4/30

なったのか,それを解消するにはどのような方法があるかは別途検討する必要がある。初任層向けの研修では同じ系の5~6名1グループで机が配置された。「はじめに」で示したa,bを満たすために,PROBEモデル導入は以下手順①~⑥で行った。① PROBEモデルの用紙配布② PROBEモデルの説明⃝訓練受講生の立場になって考える⃝研修前のPROBEモデル回答:現状でYesであれば〇,Noなら空白で回答⃝研修後のPROBEモデル回答:研修後できそうであれば〇,Noなら空白で回答⃝PROBEモデルを見ながらグループで討議が可能⃝不明点があれば質問可能③ PROBEモデルの件修前回答(左側)を記入⃝質問項目の意味が分からなければ?を記入する④ 研修講義(安全衛生)⑤ PROBE質問の研修後回答(右側)⑥ PROBE質問用紙回収③で一度PROBEモデルを回答することで何が原因の可能性があるかを認識し,その後に研修講義を受けることで関連知識の補完がより効果的であると表1 PROBEモデルの行動カテゴリー[1]-2-考え,手順を構築した。PROBEモデルを見ながらグループ討議をさせた理由は,同世代の指導員で情報共有を行うことが訓練受講生の不安全行動の原因解消の糸口になると考えたためである。初任層向けの研修の際のPROBEモデルの回答結果を表1に示す。左側が研修前,右側が研修後の回答結果である。Yesなら○を記入するが,△や×の回答もあった。Noの空白と区別するため,△は○扱い,×は空白扱いとした。研修前とくらべて研修後特にYesが増えた項目はA1とE3(表2赤字部分)である。A1は研修前の回答で〇回答が少なく,安全作業に必要な情報が不足していたために不安全行動を引き起こしていた可能性がある。しかし,研修により安全衛生に関わる知識を更新できたため,マニュアル,資料の見直しが可能になり,〇の回答が増えたと考えられる。E3も同様に,研修内容とグループ討議により他施設の訓練状況を知ることで訓練環境への配慮に意識が向いたと考えられる。他にも〇回答が増えたことから,研修の効果はある程度あったと考えられる。Yesが減った項目(表2青字部分)は,研修を受けて不十分であったと気づいたものだと考えられる。「?」回答では,行動レパートリーについての質問は研修後も解消できていない項目が多い。これは,3.訓練向けPROBEモデルの導入4.PROBEモデル分析結果と考察

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る