2022年3号「技能と技術」誌309号
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表4 在職者訓練コース(東京都)表5 在職者訓練コース(レディメイド)表6 在職者訓練コース(オーダーメイド)図18 在職障害者の雇用・就労状況情が出ることがある。これらの意見等から運営に苦慮していることがうかがわれる。現状の指導体制でできる範囲のコースを実施していると思われる。(2)委託訓練の実施における課題各都道府県が民間の教育訓練機関等に委託しての在職者訓練は,10都道府県で実施されている。熊本県以外は障害者校が設置されている都道府県で実施されている状況である。例えば東京都では,全て訓練コーディネーターが企業からの要望に応じて,訓練内容を設定し,委託先を選定して計画を作成し,オーダーメイドコースとしている。また対象障害種類は,障害種類を問わないコースと視覚障害者を対象としているコースを設定している。(表4)その他の在職者訓練コースは,レディメイド(表5)の内容が主にパソコンスキルアップなどであった。訓練実施上の課題としては,ニーズ調査について各企業からのアンケート調査を実施しているが,回答数が少なく真のニーズが把握できないなどの意見があった。回答数を増やすために事業主団体や就労支援機関等と連携することなど,幅広いニーズを把握することの工夫が必要と考えられる。-25-オーダーメイド(表6)の内容は,パソコンスキルアップ,コミュニケーション向上,清掃関係などが主である。訓練実施上の課題としては,多様化している要望に対して,訓練を実施する委託先の開拓が難しいなどの意見があり,訓練コース設定に苦慮していることがうかがえる。訓練コース設定には,訓練コーディネーターの配置や障害者校等と連携を模索することにより,対応策が見いだされることもあると考えられる。在職障害者の雇用・就労状況は,図18のように就労困難性に応じて,雇用と福祉的就労が考えられる。今回のアンケートの調査対象は,一般企業および特例子会社とした。しかしながら在職障害者の職業訓練のニーズとしては,A型事業所やB型事業所も含める必要もあると考えるが,この点は今後の課題としたい。6.おわりに

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