2022年3号「技能と技術」誌309号
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図3 令和3年度版表紙軽減への一層の取り組みが必要ではないかという意見があった。それを踏まえ,令和3年度の事業を検討することとなった。令和2年度,本事業開始当初に各校から提供された17事例の内,未対応となっている8事例について,令和3年度に昨年同様,検討会を実施すること,また,検討結果を取りまとめた事例集の発行は引き続き実施することはあらかじめ決まっていたので,令和3年度の事業では,指導員の心的負担の軽減を目的とした支援に関する内容を事例集に盛り込むこととした。6.1 課題の多い訓練生受け入れの留意点についてこれまでの事例検討会での専門職員からのアドバイスや意見を基に,指導員の負担軽減と適切な訓練生対応のためには,入校後のできるだけ早い時期に訓練生の状況を適切に把握することが重要であるということが分かった。そのためには個々の訓練生の状況把握に向けた情報収集が必要であり,個別面談や訓練時間中の行動観察によるものが一般的であると教示いただいた。面談では訓練生個々の訓練や就職への意識の確認を行うことで自身が抱える課題についての情報の発信にもつながることがあるとのことであった。しかし,面談には指導員個々の経験を基にした面談スキルが大きく影響するため,指導経験の少ない指導員にも適切な情報収集ができるように面談時の対応フォーマットの作成を検討することとした。その結果,次のような項目とした。● 訓練生の状況把握について(1)訓練生への入校時のアナウンス(2)面談による状況把握(3)訓練実施時等での行動観察(4)家族からの情報収集(5)支援体制と情報共有面談の方法や留意点,面談を実施する場面ごと-17-の内容について取りまとめを行った。また,収集した情報の取り扱いや,今後,支援が必要となった際の情報共有を訓練関係者間で行い,支援体制を事前に整備するといった枠組みの必要性について整理を行った。面談や行動観察の際の記録を入校から就職活動などの訓練時期ごとに必要となる聞き取り項目などを一覧として整理し,面談の中で訓練生が発信した情報を適切に記録しておくような「面談記録シート」を,【入校当初】,【訓練期間中】【行動記録シート】の3種類作成した。6.2 訓練での支援方法と配慮についてこの他にも訓練生の状況を把握した上で,訓練実施にあり指導員が対応法や配慮への疑問や不安を感じた際に参考にしていただきたいポイントについて,専門職員等と検討を行いお示しさせていただいた。6.令和3年度版事例集の作成

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