2022年3号「技能と技術」誌309号
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図8 令和2年度「第2回・管理運営コース」アンケート結果・このようなオンラインの意見交換の場を定期的に開催してもらいたい。・全国からの参加者が参加しやすいという点では,オンラインのプログラムも良いと思う。・新訓練科を次年度から開講するにあたって大変参考になった。・訓練生しかり,自分たちの実践を振り返る機会となった。今回プログラムに参加した9施設それぞれの状況を整理すると次のようになった。イ これから専門訓練コースを設置しようと取り組んでいる施設ロ 本年度または前年度に専門訓練コースを設置し,取り組んでいる施設ハ 以前に専門訓練コースを設置し,現在は訓練校内で専門訓練コースのノウハウを普及している施設ニ 以前に専門訓練コースを設置し,現在は県内の一般校にノウハウの普及を行っている施設ホ 専門訓練コースは設置していないが,他の訓練校の取り組みや専門訓練コースの内容についての情報を得たい施設-11-結果として,さまざまな参加目的を持った施設が参加し,幅広い情報共有や意見交換を行うことができた。アンケートの結果も踏まえると,オンライン形式による情報交換の場や,取組の紹介については需要が高く,コロナウイルス感染症拡大の影響が収束して以降も,指導技法普及提供の一つの手段として有効活用ができると思われる。これまでに実施した指導技法普及全体を通して,以下のことが明らかになった。(1)障害者校・一般校の分け隔てなく,訓練生の指導技法や訓練コース運営について知りたい,学びたいといった声は数多く存在している。(2)支援メニュー全体を俯瞰し,指導技法普及対象の取組状況や相談内容に応じて,提供する内容や組み合せを柔軟に検討することで,ニーズに基づいた指導技法普及を行うことが可能となる。(3)全国からの参加者が集う体験プログラム等は,各参加施設が訓練指導や支援に関するヒントを得ることができ,同じ訓練生を指導・支援する者同士での連帯感が生み出される。(4)オンラインによる指導技法普及は,これまで支援メニューを活用できなかった職員にも参加の機会が提供することができ,指導技法普及に対するニーズをより幅広く把握し,指導技法普及の検討や改善につなげることができる。副次的効果としては,参加施設間でオンラインツールのリテラシーが高まり,各施設でのオンライン訓練を実施する際に生かしていただくことができる。訓練生にとって職業訓練は,職業人としての人生を歩む上での貴重な機会である。訓練を通して知識や技能を習得し,職場や支援に関わる人々と働く喜びを共有しながら,充実した職業人生を歩んでもらいたいと,職業能力開発に関わる職員であるならば誰もが思うものであろう。障害がある・なしに関わらず働く意欲と能力を持っているならば,誰もが職業を通して社会参加できる「共生社会」をつくるために,職業訓練が大きな役割を果たす事は明白で5.まとめ

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