2022年2号「技能と技術」誌308号
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図3 模擬家屋の躯体図4 複線図(一部抜粋)前章で述べたように電気設備技術科において実際の現場を再現した実習環境の整備およびコミュニケーション能力の習得,現場進捗管理・工程管理,安全配慮を組み込んだ課題として,模擬家屋を訓練生グループで製作するカリキュラムを構築した。実際の現場を再現した訓練課題を適用することで即戦力および未経験者でも人のなりわいに必要不可欠な電気工事業に魅力を感じる人材を輩出して,福井県の電気工事業に貢献できると考えた。2-1. 模擬家屋の製作図3に示す模擬家屋の躯体の製作を行った。福井県では,湿気が多く,住宅のほとんどが木造家屋となっているため,製作する家屋は木造家屋とすることとした。定員15名での訓練を想定して,1グループ7~8名で作業できるよう,2部屋(約3帖)とした。天井高さも安全を考慮して,1.8mにし脚立を使用しても安全作業ができるようにした。また,見学会などで来訪者が見られるように部屋の一部を開放型とすることとした。-7-2-2. 住宅配線訓練訓練は,「住宅配線(施工1)」および「住宅配線(施工2)」の2ユニット(6日間)を通して行うこととし,以下(1)~(7)の流れに沿って実施している。施工の順番は現場のやり方とは一部変更しているが,住宅配線の一通りの施工を経験できるようにしている。2グループに分け,班長(リーダー)を選定し,その指示の下,設計から施工までを訓練生のみで行っている。(1)部屋の想定,電気配線設計(単線図,複線図)(2)電気配線工事(3)内装施工(4)外装施工(5)床貼り,器具の取り付け(6)竣工検査(7)通電試験(1)部屋の想定,電気配線設計(単線図,複線図)グループごとに,部屋の用途(キッチン,リビングなど)を決め,実際にどのような器具が必要か,どの位置に配置すると望ましいかなどの調整を行う。器具の配置等が決まると単線図の設計を行う。分岐回路については,グループごとに適切に選定し,ジョイントボックスの個数についても作業の効率を考えながら選定を行う。図4は訓練生が実際に作成した複線図である。2. 電気設備技術科における施設内デュアル 訓練の取組

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