2022年2号「技能と技術」誌308号
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図13 個別企業説明会の様子図14 現場見学会の様子参考文献当センターにおける電気設備技術科では,電気工事業の事業主団体や企業と密接に関わり業務を展開してきた。その中で当センターへの期待は大きい。企業側は,現場に即した訓練を実施し,即戦力または電気工事業界に魅力を感じる未経験者を求めている。本取組を施設内デュアル訓練と命名し,現場における訓練の導入,実際の現場の魅力と厳しさ,求人内容の理解のための個別企業説明会の実施と見学会の実施,広く求職者に電気工事業の魅力を発信することにより,さまざまな好結果を得ることができた。得られた成果は以下のとおりである。1 電気設備技術科における訓練では,以前より,電工板を用いた訓練を実施してきた。電気工事の資格取得,基礎技術を学ぶには十分であるが,実際の現場環境を想定したものではないため,企業等側が求めるスキルと差がある。そこで,施設内デュアル訓練と名付けて,実際の家屋における配線・電気工事業務を経験できる訓練内容を構築し-12-(1)福井労働局:「雇用失業情勢 令和3年5月分」,Press Release(2)福井労働局職業安定部訓練室:「令和2年度 求人・求職バランスシート」(3)例えば,大阪電業協会:「高齢化社会が及ぼす電気業界の影響と課題について」(4)例えば,経済産業省:「電気保安人材・技術ワーキンググループ中間報告」(5)例えば,厚生労働省:「電気通信工事業の人材育成のために」た。その結果,企業等側からも賛同が得られ,多くの求人をいただいた。2 福井県の電気工事業は慢性的な人材不足となっている。また,当センターの訓練生募集についても苦慮しているところである。求人があっても応募しない理由として,その職種の未経験者である求職者はその職種のことをイメージできないことがあげられる。まずは,電気工事業の仕事の魅力を発信することを第一としたリーフレットを作成し,職種についてイメージできる広報をすることとした。その結果,電気設備技術科の応募者について,90%以上の充足率を確保することができた。3 当センターの電気設備技術科において,個別企業説明会を開催し,福井県電気工事工業組合から企業を派遣してもらい,求人の説明と電気工事業の仕事の魅力を訓練生に伝えていただいた。この取組により就職率85%以上,正社員就職率80%以上を維持している。≪謝辞≫本取組を進めるにあたり,訓練課職員の皆さまに多大なるご協力をいただき,感謝申し上げます。福井県電気工事工業組合の長谷川課長には,模擬家屋作成のアドバイスや個別企業説明会の実施,電気工事業界の仕事の魅力を発信する取組に賛同し,企業との調整をしていただきました。ここに最大限のお礼を申し上げます。最後に本論文を纏めるにあたり,その構成や内容を精査していただいた中村所長,乾訓練課長に感謝申し上げます。5.おわりに

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