2022年2号「技能と技術」誌308号
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図5 KYTの様子図6 電気配線工事図7 内装施工(2)電気配線工事単線図,複線図を基に,ケーブルの支持や電気配線工事を行う。図5に「KYT」の様子を示す。通常の訓練とは異なり,複数名での作業や天井が付いている状態での作業を考慮した「KYT」を実施し,安全作業の周知・確認を徹底している。図6に「電気配線工事」の様子を示す。通常の訓練(電工板の工事)とは異なり,器具が見えない中での配線や多くのケーブルを支持するため,ここで単線図や複線図の重要性・必要性を再確認することができる。また,ジョイントボックス内の結線も天井裏ということもあり,作業のしにくさについても訓練中に知ることができる。また,電工板の場合は個人での作業であるが,グループでの施工ということもあり,周りとの連携を図るためにコミュニケーション力も身につけることができる。-8-(3)内装施工図7のように内装施工では,石こうボード貼り・パテによる穴埋め作業・石こうボードの開口・クロスののり付け・クロス貼りまで一連の作業を行う。この施工は電気工事の仕事では行わないものであるが,電気配線の業務において必須な項目であり,他業種の者がどのような仕事をしているか知ることも重要だと考え,訓練内容に取り入れた。訓練生や修了生からは,「こんなに難しいものだとは思わなかった」,「実際に石こうボードの取り付けやクロスを貼ることでとても勉強になった」「電気配線の仕事で同じような現場で作業することがあり,事前に勉強していて作業に困らなかった」という声がある。電気配線工事でのミスは工事の遅れにも影響し,その後の内装施工にも影響があることを確認できる電気配線工事や図面の重要性も同時に知ることができる。(4)外装施工図8のように外装施工では,断熱材の取り付け・防水シート・外壁工事・コーキング施工までの一連の作業を行う。この施工も内装施工と同様に電気工事の仕事では行わないものであるが,電気配線では必須な項目であるため,訓練に取り入れた。外装施工がどのようにされているかを知ることで就職した際にも役立てることができる。

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