2022年1号「技能と技術」誌307号
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図3 AR手順書の画面図4 フローチャート図5 令和3年度スケジュール①何度も繰り返し見ることができ,劣化しない②実際にはできない(危険作業等)を再現できる4.4. 制作物図3にAR手順書の画面,図4にフローチャートを示す。昨年度はAndroid端末のカメラを通して,あらかじめ用意したARマーカとなる画像認識をさせ,その上にオブジェクトを表示させた。また,ARマーカを移動してもオブジェクトがその上を追従して表示される。このようなARはマーカ型ARと呼ばれる。5.1. 目標設定本年度も昨年度と同様の目標に加え,「AR手順書を使いスキル習得の比較検証をおこなう」ことを追加した。-3-5.2. スケジュール本年度のスケジュールを図5に示す。ほぼ昨年度と同じスケジュールで制作を進めた。異なる点は,使用端末であるHoloLens2の納期が後期となってしまい,前期は昨年度作成した手順書(紙,AR)の修正点の洗い出しをおこなった。また,手順書の比較検証をおこなう機会を設けた。5.3. 手順書作成表1の通り昨年度から変更した「使用者」,「使用端末」,「開発環境」についてポイントを説明する。1つ目は手順書の使用者を「指導者」から「初級技能者」に変更した。そのため,初級技能者目線を意識した手順書を作成するよう指導した。2つ目の使用端末をHoloLens2に変更した。メリットは3点あるが,詳細は後述する。3つ目の開発環境はHoloLens2に合わせ,変更した。これは,HoloLens2用のMR(Mixed Reality,複合現実)アプリケーションで,作業手順をCloudから読み込むことで空間上にホログラムを表示する機能を提供するものである。5.4. 比較検証本年度は初級技能者に対し,作成した手順書を使い,スキルが習得できたかを検証した。その結果を表2および3に,検証の様子を図6および7に示す。検証方法は紙手順書とAR手順書のそれぞれを使い同じ作業をしてもらい,作業時間と作業完了後の出来栄えを評価する。その際の評価基準として技能五輪全国大会「情報ネットワーク施工」Module2Fを使用した。表4に比較検証に使用した評価基準を示す4)。なお,比較検証をおこなう前に初級技能者に対5.制作の概要(令和3年度)

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