2022年1号「技能と技術」誌307号
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表1 手順書の比較図2 令和2年度スケジュールでの作業に沿った内容になっているためである。令和2年度(以下,昨年度)は技能五輪全国大会「情報ネットワーク施工」職種学生予選会(以下,予選会)と「情報ネットワーク施工」職種学生日本一決定戦の2つの大会に学生2名が,令和3年度(以下,本年度)は予選会に3名が出場した。そのうち1名は2位となり,第59回技能五輪全国大会「情報ネットワーク施工」職種に出場した。表1に作成した手順書の概要と比較を示す。この制作は昨年度から継続して取り組んでいる。昨年度は使用端末としてAndroid端末を,開発環境としてUnityを使用した。プログラミング言語はC#を使用した。また,ARCoreとはARを構築するためのGoogleが開発したプラットフォームである。本年度は使用端末としてMicrosoft社製のスマートグラスであるHoloLens2TM(以下,HoloLens2)を,開発環境として,Dynamics 365 Guides を使用した。-2-4.1. 目標設定昨年度は以下の3つの目標を設定した。①AR手順書の作成②「情報ネットワーク施工」に関するスキル習得③予選会で1位をとり,全国大会へ出場する①に取り組むことで以下の3つを解決できると考えた3)。①内容変更の簡略化②確実かつ効率のよい作業スキルの習得③紙資源の消費を抑えるまた,統一した作業手順書を作成することで,品質のバラつきをなくすことができると考えた。2つ目はネットワーク利用が前提となっている第4次産業革命の基盤を支える「情報ネットワーク施工」について,競技大会を通して関連スキルの習得を目指した。4.2. スケジュール図2に昨年度スケジュールを示す。ポイントは全4回の発表する機会と競技大会へ出場する機会を設けたことである。また,企業の方に制作物に関する意見聴取の機会も設けた。詳細は後述する。4.3. 手順書作成本制作では,ARの手順書を作成する前に,紙の手順書を作成した。その際のポイントについては後述する。手順書にARを使用した理由は以下の2つである3)。3.手順書の概要4.制作の概要(令和2年度)

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