2022年1号「技能と技術」誌307号
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-17-に必要な項目を記載したもので,新規の現場や新たな設備ができた場合に,日常点検や年間の保守点検に必要な計画を作成するための参考資料である。3.3 研修の流れと評価,フォローについて研修の流れについては概要を2.4で説明したが,その流れを少し追加説明する。⃝予定された研修日に各現場の受講予定者は1日⃝その後,数日前に教育担当から送信されたレポートの設問に回答し1週間以内に返信する。⃝教育担当は各現場から送信されてきたレポート⃝現場責任者と本人宛に添削済みのレポートを再研修レポートは設問形式のレポートで,テキストを読めば簡単に回答できる内容もあるが,普段現場で実施している管理手法等についても問うている。解答ではなく回答としているのは,正解を求めているのではなく,確実に学習したか,問いに対して真剣に取り組んだか否かを見ているためで,添削もその点に留意を払っている。評価もそこに重点を置いており,真面目に取り組んだと思われるものに対しては悪い評価はしておらず,指針等を記載している。集合教育の場合,難しいのは受講者の理解度や思考などを判断し辛いことである。ところが通信教育の場合,個別に対応できるので集合教育以上のものが見える。ただ集合教育に比べて個々へ費やす添削等の時間を要するのが難点ではあるが,スタッフの育成を考えると効果的とも考えている。それに加え,経験値の高い現場の責任者も課題と添削内容を見ているので,現場でのフォローにも集合教育にはない期待が持てる。実際,受講者の考え方と解説に相違があった時は責任者に対し質問されることが増えているようだ。現場によっては,受講予定者が居ないにも拘らず毎回研修レポートを送って欲しいと依頼してきた責任者も複数いた。理由を聞いて驚いたが,次の理由によるものだった。⃝まず研修日前に送信している研修レポートが毎を費やして周知済みの内容を学習する。回答を添削し習熟度で4段階評価を行う。度返信する。同時に解説書を添付しておく。3.1 現場に依頼した研修内容新たな社内教育では,基本的に各現場において次の教育をお願いした。⃝雇入れ時安全衛生教育の実施⃝新人教育の実施⃝空調給排水管理従事者研修の実施(予定者の自習とそのフォロー)雇入れ時安全衛生教育は安衛則に基づくものなので新採用者や異動対象者に教育することを依頼した。また,新人教育も以前は集合教育としていたが,各現場にお願いした。空調給排水管理従事者研修は弊社が福岡県に対し「建築物環境衛生総合管理業」の事業登録をしているので,その法的要件として実施するもので,本来福岡県の技術スタッフに限定しても良い研修だが,この研修が設備管理において有用であることから,全現場に対し独自に実施している。3.2 配布テキストの内容各現場に配布した社内研修用テキスト集は次のとおりである。元々弊社の教育担当後継者用に整備を進めていたもので,早期に準備でき,また思わぬところで役に立てることができた。⃝建築物衛生法および関連法規⃝建築物衛生法に基づく関連業務概要⃝特定建築物届等届出書類の作成要領⃝研修テキスト【空気調和設備編】⃝研修テキスト【給排水衛生設備編】⃝建築設備点検参考資料⃝雇入れ時安全衛生教育テキスト⃝新人研修テキストまた「建築物における維持管理マニュアル」についても全員配布しており,これは建築物衛生法にある建築物環境衛生管理基準に基づいて行われるべき設備管理業務の具体的手法を記載してあり,保守点検や整備要領において役立つほか,技術スタッフの学習にも大変重宝するものである。また⑥の建築設備点検参考資料とは日常点検や各種設備の保守点検3.新たな社内教育の実施と現状について

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