2022年1号「技能と技術」誌307号
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図13 2021年度レポート採点結果(項目別)分布図11 年度別レポート採点結果分布図12 疲労き裂実験の動画視聴回数できたと感じた。という「ねらい通り」の記載が含まれていた。6.3 実績今回の工夫を凝らした授業の取り組みにより,下記3点の実績が挙げられる。6.3.1 レポート採点結果レポート採点基準をもとに採点を行った過去4年間の成績推移を図11に示す。2021年度オンデマンド型の実績は,2020年度と比較すると多少成績が低下したものの,2019年度の対面とほぼ同等の実績であった。その一方,対面は反転授業で確保された時間を使って個々の学習レベルに応じてきめ細かい直接指導を行った結果などが功を奏し,平均点は82点と過去最高点で,標準偏差を考慮すると,過去とほぼ同等の教育効果を確保していると期待できる。6.3.2 動画の複数回視聴疲労き裂実験の動画視聴回数を図12に示す。オンデマンド型受講学生は,予想どおりにレポート作成編のクリック回数が多く,動画の重要部分を複数回視聴させる仕掛けなどにより,「4.結果の整理」の動画が最も多くなった。また,対面受講学生も動画を視聴できることから,レポート作成編など重要項目の動画を視聴しており,来年度に向けて,さらなる動画の有効活用を検討する。6.3.3 レポート採点結果(項目別)2021年度レポート採点結果(項目別)の分布を図13に示す。これは,同じ授業を同時期に同じクラスの学生に対して,対面とオンラインで行った際の効果の違いを具体的に示す貴重で重要なデータである。これを見ると,対面は全体的に若干教育効果が高いこと,オンデマンドでは今後「4.結果の整理」や「6.考察」の改善に注力すると効果的であることが読み取れる。偶然にもコロナ禍のために対面とオンデマンドを同時に行うこととなったが,それによって極めて貴重な対照データが得ら-13-れたといえる。6.4 成果学生がレポートに記載した主な感想と過去の成績を比較した結果,2021年度は対面とオンデマンドの両方の授業を同時進行で行ったにもかかわらず,教育的な工夫によって,今までの対面授業と遜色ない教育効果が維持できた可能性がある。

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