2021年4号「技能と技術」誌306号
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図8 ウエルカムボードデザイン案図9 ウエルカムボードの図面図10 作業風景と制作した学生達図11 除幕式の様子さまざまなアイデア案の中から「輪」をテーマとしたアイデアを採用した。アイデアを考えた学生は,カウントダウンボードでも「輪」をテーマとして提案した学生であり,統一性があり優れたデザインであることが決め手となった。(図8,9)バックの山は会場となる三瓶山をモチーフにしている。また,県外からの参加者も多いことから島根県をアピールするため,出雲大社のしめ縄や日本三大瓦の一つである石州瓦,伝統芸能である石見神楽に使用される天蓋もデザインに取り入れた。5.2 制作2020年4月から当校の独自カリキュラムである「ものづくり実習」の授業課題として制作した。5月末の開催に合わせるため2カ月間の工程を組み,カウントダウンボードと同じく作業工程の見える化を行い,効率的に作業を進めた。多様な木工機械を活用し,精度を高めるため各加工に合わせて治具の作成も行い,屋外での使用となるため塗装による木部の保護と風対策も行っている。-4-特に特徴的なのが輪である。2つ輪は20角形により輪を表現しており,各部材はピン接合とお互いに支え合うレシプロカル構造を取り入れた構造となっている。建築を学ぶ学生ならではのデザインと当校の技術力を見せることができた作品となった。5.3 成果2020年5月31日に開催される予定であったが,新型コロナウイルス感染拡大に伴い,2021年5月30日に大会が延期されることになった。会場での設営は2021年に持ち越されたが,代わりに島根県立三瓶自然館サヒメルにおいて2020年11月30日,2度目となる200日イベントでウエルカムボードの除幕式が行われた。(図11)結果として,大会会場でしか見ることができなかったウエルカムボードが長期間の展示により,多くの方に見てもらえる機会ができた。

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