2021年3号「技能と技術」誌305号
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図2 極小ブロックの組み立て図3 図面確認作業図4 教材開発の流れます。技能習得よりもアセスメントに重点を置いているため,訓練生が意欲を持ち,かつ入校直後の技能訓練が進んでいない段階でも取り組むことができる,訓練職種に関連した課題としています。また,通常の技能訓練と並行して実施できるように,1つの訓練課題は2時限で完結できる量としています。電気・電子系においては,製造現場での就業を想定し,身体的側面として,動作性(比較的大きな動き)や巧緻性(手先の細かい動き)の把握ができる2種類の訓練課題を設定しています。図2に巧緻性を把握する課題の例を示します。機械系では,精神的側面として,疲労やストレスの影響,注意力や情報処理,記憶力,遂行能力等を確認できる図面の正誤を確認する訓練課題を設定しています。図3にその例を示します。2.4.2. 教材開発の流れ教材開発は,指導員の負担を減らすために,これまで利用していた訓練課題で使用可能なものはそれらを活用し,新規の訓練課題を開発する際にも市販の製品を活用も行っています。図2は市販の製品を-6-活用した例で,図3は既存の訓練課題を活用した例となります。教材は図4の流れで作成します。2.4.3. 訓練の実際訓練では,作成した作業指示書に基づいて実施することで,教材・教具とその配置,指示命令の出し方を常に一定とし,ベースラインを定めて,行動観察のポイントに基づいてアセスメントを行います。基本的な流れは,図1の流れに沿って,次のように進めます。①行動観察を通じて,作業の中で,できている点や工夫している点,困っている点ややりにくさのある点を把握します。②次に訓練の結果について振り返りを行い,訓練生の自己認識を確認します。③対応法の検討については,困っている点ややりにくさのある点について訓練生と行います。対応法は,まず訓練生自身で検討してもらいます。訓練生自身で検討するのが難しい場合は指導員から助言を行い,どうしても思いつかない場合

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