2021年3号「技能と技術」誌305号
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図1:支援・対応Q&A図2:前半のQ&A形式の支援方法は少しずつ増えていき広がっていった。そして,配慮受講生の理解が進み,軽度の課題については支援・対応ができる指導員も増え,組織的に動いている施設も多い。だが,10年近くかけて増えてきたことで,いろいろと不都合もでてくる。それは,配慮受講生への支援・対応の情報が散逸してしまい,目の前の配慮受講生の課題を支援するための情報がどこにあるのかすぐに見つけることができないことである。さらに,難しいケースの配慮受講生への支援・対応については,より専門的なことを学ぶ必要がある。そのためには,ノウハウやツールの開発の元になった障害者向けの資料から学ぶことが可能だが,こちらの資料もすぐに見つけることができない。そこで検討会では,Q&A形式で情報を探せるように,令和2年3月に,検討会にて『訓練受講者への支援・対応Q&A 第二版』7)(以降「支援・対応Q&A」とする)を開発したので,検討会委員のひとりである著者が代表して紹介する。-18-支援・対応Q&A(図1)は,2部構成になっている。前半は,配慮受講生への支援・対応についてQ&A形式で答える内容である。後半は,配慮受講生への会話について気をつけるポイントをケースごとにまとめた問題集である。前半のQ&A形式は,図2のように,配慮受講生への支援・対応へのよくある疑問に答える形の内容になっている。掲載されている疑問(Q)は,⃝ 基本的姿勢,対応のポイント⃝ 訓練実施上の課題及び対応方法⃝ 企業実習・就職支援⃝ 内部支援体制⃝ 支援機関との連携⃝ 取組事例,研修の6つの分類について35のQが掲載されている。それぞれの疑問には簡潔に回答(A)が書かれている。また,詳しく知りたい人のために,ノウハウやツールの開発の元になった資料の情報がAの最後に記載されているのが特徴である。2.支援・対応Q&Aの特徴

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