2021年3号「技能と技術」誌305号
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表5 標準カリキュラムの例(抄)ターの養成訓練(現普通課程普通職業訓練)にも導入されました。このモジュール訓練は,実技と学科が一組となった訓練が完結する単位であるモジュールユニット(以下「MU」という。)を組み合わせることによって,訓練カリキュラムを編成します。これにより,次の3つの側面の個別性ヘの対応が可能となります。・訓練カリキュラム編成の個別性(MUの組み合せ)・訓練時期の個別性(随時入所,随時修了)・指導方法の個別性(実技中心の巡回指導による自学自習)ILOモジュールでのMUは,仕事遂行に必要な技能あるいは知識を全て含んでおり,他のMUとは独立した単位としています。一方,当センターのMUは訓練科での訓練に合わせるため,全訓練科共通要素であるMUと,各訓練科の技能訓練のMUで構成されています。MUの例としては,全訓練科共通の「安全衛生」,「IT基礎訓練」,「ビジネスマナー」等があり,電子機器科の技能訓練では「直流理論」や「交流理論」等があり,具体的な訓練内容や訓練時間については指導員が設定します。その構成は,ポリテクセンターで使用されているシステム・ユニット訓練のユニットに近い構成となっています。3.1. 訓練カリキュラム3.1.1. 標準カリキュラム策定当センターでは,普通課程の普通職業訓練を実施しており,訓練期間は1年,訓練時間は年間1400時間以上となっています。職業能力開発促進法施行規則(以下「施行規則」という)第十条別表第2に記載のある訓練科(機械製図科,電子機器科等)については,表5のように,別表の科目・時間で構成されている科目に合わせてMUを組み合わせて標準カリキュラムとしています。例えば,電気・電子系の別表の科目の「電気理論」は「直流理論」,「交流理論」,「磁気・静電気理論」の3つのMUを設定しています。別表第2に記載のない訓練科(テクニカルオペ-8-レーション科等)については職業訓練運用要領に従い科名を設定しています。また,施行規則第十条を満たす科目・時間に合わせてMUを組み合わせて標準カリキュラムとしています。3.1.2. 個別カリキュラムモジュール訓練では職業を「就職するのに必要となる要素作業群」と捉えこれをMES(Modules of Employable Skills)としています。MESをさらに構成する仕事,仕事を構成する要素作業と細分化していき,細分化した一つ一つの要素にMUを割り当ててMESを構成します。MESを構成する際に,訓練生個々の特性に応じてMUを組み合わせることで個別カリキュラム編成します。例えば,機械製図科においては,標準カリキュラムを基に,訓練生個々の特性や就職への希望に応じ

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