2021年2号「技能と技術」誌304号
8/34

図10 本教材が与える他の訓練への影響図11 ミニゲームの成果発表スライドからの抜粋<参考文献・参考資料>-6-1) 及川達裕,酒井那宜,池原寿紀:「組込み初学者向けのライントレースカー教材」平成30年度職業訓練教材コンクール2) cohesivecomputing.co.uk:「Hackatronics Arduino Multi-function Shield Projects」今回の教材のコンセプトである「組込み初学者が挫折しない,そして次の学習につながる教材」を実現することができた。本コンセプトを満たす教材を,自身で1から開発することは現実的ではないが,STEM教育の流れをくみ取り,そこで利用される機材やツールをpickupし,活用したことで,限られたリソースの中でも訓練生にとって有用な教材を開発することができた。今後も研さんに励む中で,世の中の技術的な潮流をくみ取り,職業訓練の現場にローカライズして適用を図ることで,訓練生・学生にとって実りある教育を提供していきたい。またそれと同時に,他の職業訓練指導員にとっても有用な訓練教材や実践報告を発信していきたい。最後に,本教材は職業能力開発総合大学校 基盤整備センターのWebサイトにて公開されているため,ご興味を持っていただけた方にはぜひ参照いただき,ご自身の職業訓練の現場に適用いただければ幸いである。本教材で利用させていただいたBlocklyDuinoの開発者の方々およびBlocklyDuinoを日本語化され公開した岡田 裕行氏に感謝致します。また,本教材開発へ注力するためにご助力いただいた当時の熊本職業能力開発促進センターの職員および指導員各位に感謝致します。4.2 自己学習に取り組んだ訓練生の成果訓練の時間外の空き時間を利用して自己学習に取り組み,C言語を学びながら,本実習機材をC言語から制御してミニゲームを作成した訓練生の成果を紹介する(図11)。訓練用テキスト内で扱った周辺回路(LED,タクトスイッチ,7セグLEDほか)をほぼすべて使い,状態遷移の考え方まで組み込んだ力作であり,ビジュアルプログラミング言語からC言語までを関連付けて学習できた成果と言える。自己学習に取り組んだ訓練生の事例は,まだ多くはないが,このような事例をより増やしていくために,訓練生に向けた自己学習の取り組み事例の整備やTinkercadの具体的な操作の助言・課題実施などの改善を考えている。 5.おわりに6.謝辞

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る