2021年2号「技能と技術」誌304号
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図2 従来教材と今回の教材での時間配分イメージ図3 実習で使用するマイコンボードとシールド図4 ブレッドボードと組み合わせた実習回路また,ビジュアルプログラミング言語でもプログラミングの基本である逐次・分岐・繰り返しや,変数・関数といった概念を習得することができ,今後学ぶC言語の学習にもつながるといったメリットもある。3.2 実習機器実習機器は,主に「Arduino UNO」「マルチファンクションシールド」「ブレッドボードおよび電子部品」の3つから成り立つ。マイコンボードには,秋月電子から販売されているArduino互換ボード「ATmega168/328マイコンボードキット(図3)」を選定し,訓練生が前段のハンダ付けの訓練にて組み立てを行ったものを活用している。訓練生が自ら作成したボードを使用することで機器そのものに対する愛着が湧く効果も期待しての選定であるが,本教材を使用する上では他のArduino互換ボードでも問題は無い。 マルチファンクションシールド(図3)は,LED,ブザー,タクトスイッチ,7セグLED,可変抵抗が備わったArduino向けのシールドであり,別途温度センサー(LM35Z)の追加実装も可能である。本シールドのLED回路やスイッチ回路,7セグLED回路は,前段のデジタル回路の訓練で学んだ回路と同一,もしくは発展させた回路であり,訓練生にとってマイコンと電子回路の結び付きを実感してもらうことを期待している。-3-ブレッドボードおよび電子部品(図4)は,マルチファンクションシールドだけでは不足する回路を追加実装するために使用する。タクトスイッチのチャタリング防止回路や,CdSによる光センサー回路が実装される。なお,この光センサー回路は前段のアナログ回路の訓練で学ぶ回路でもあり,ここでもマイコンと電子回路の結び付きを実感できる効果が期待される。 3.3 実習課題実習の最終課題には訓練生にとって身近な「デジタル温度計(図5)」を開発するテーマを設定した。さらに訓練生の進しんちょく捗に応じた発展課題として,照度計や経過時間カウンターなどの機能を追加実装する課題を設定した。この発展課題は,Arduinoに接続される周辺回路の大半を制御する必要があり,結果として第1シス

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