2021年2号「技能と技術」誌304号
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図1 外国人材の受入れニーズの推移図2 外国人材数と外国人雇用事業所数の推移表1 直近3年間の日本商工会議所・東京商工会議所の意見・要望の概要した。コロナ以前の同調査でも,約40~50%で推移しており,コロナ禍の影響はあまりなく,継続して,外国人材を採用したいと考えている企業は多いということが分かる。(図1)3.3 外国人材数および外国人雇用事業所数の推移また,「1.はじめに」でも簡単に述べたが,コロナ禍においても,わが国における外国人材数は,増加の一途をたどっている(図2)。2015年の約90.8万人から,2020年10月末時点では約172.4万人へ増加した。外国人を雇用する事業所数も,2020年10月末には26.7万所となり,増加の一途をたどっている。新型コロナウイルス感染症の影響により,外国人材数および雇用事業所数は減少に転じるかと思われたものの,前年より増加している。以上のことから,コロナ禍においても,企業の外国人材の受入れニーズはいまだ高く,こうした流れは今後も継続し,わが国の労働市場において外国人-17-材を受け入れるという方向性は長期的には変わらないと考えられる。3.4 商工会議所と外国人材最後に,外国人材の受入れに対する商工会議所の意見・主張を簡単に述べる。日本商工会議所・東京商工会議所はかねてより,外国人材の受入れについて,政府に対し意見・要望を行ってきた。表1は,直近3年間の意見・要望をまとめたものである。上記の意見・要望もあり,2019年4月に,在留資格「特定技能」が創設され,「特定技能1号」の受入れが始まった。「特定技能1号」は,技能・技術・知識の発展途上国への移転を目的とする技能実習生と異なり,わが国の深刻な人手不足の状況に対応するため,一定の専門性・技能を有し,即戦力となる外国人材を受け入れる制度である。2021年3月現在で,人手不足が深刻な介護やビルクリーニング等の14分野で受入れが認められており,在留期間は最長5年である。他にも,日本商工会議所・東京商工会議所では,「特定技能」の普及促進のため,分かりやすいハンドブックの作成や,セミナーを実施している。その他の商工会議所の意見・要望等としては,コロナ以前のものであるが,大阪商工会議所では「令和2年度中堅・中小・小規模企業対策に関する要望」において,「人手不足/働き方改革への支援策の拡充,外国人材の活用支援」として,留学生と企業とのマッチング強化や,「特定技能」受入れ希望企業に対する制度内容・人材の採用方法・登録支援機関

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