2021年2号「技能と技術」誌304号
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図2 構成例1プトでもある「現場での活用性」を習得してほしいと思い作成しました。ほかにもバーコードをタブレットで読み取り,図書をサーバーにて管理するアプリや湿度を測定し水をやりサーバーに記録するというプログラムなどがあります。共通する部分は「何か情報を取得しサーバーに記録」というところです。どの状況にも当てはまりますが見える化を行うにあたり,取得方法,蓄積方法,表示方法という段階が必要となります。具体的には普及しているマイコン等を活用しランプの点灯状況を取得し,データベースに送信し,Webブラウザーにてグラフを表示させます。ここで必要となる知識として,ハードウエアでは電子回路,マイコン等の選定,現場環境となります。ソフトウエアでは使用プログラミング言語の選定と使用方法,ネットワークの通信の仕方です。電子回路設計者ではネットワークやデータベースが理解しにくく,またネットワーク技術者ではハードウエアがわからないなど1つのシステムを完成させるのに,さまざまな知識と技術が必要となります。そこでシステムユニットを活用して自身の持っている技能技術を棚卸し,補う部分をこのシステムで補完と実践を行ってほしいと考えています。現在,工場で勤務しており機械の稼働状況の可視化を行いたいと考えている方が多いかと思います。しかし大規模な可視化を行って本当に効果が上がるのかは疑問が残り,また可視化のための運用費用をまかなえるほどの効率や生産力向上が見込まれるかは未知数です。そのためシステムを使用してはじめは数台から始めるのと,調整を自身で行うことにより初期費用を大幅に削減することが可能です。-8-令和2年度職業訓練教材コンクールに応募した時点での構成はRaspberry Piとサーバーを使用していましたがセミナーなどで展開しようとした場合,サーバーの用意や通信環境の整備が現場での敷居が高いと考え,Raspberry Piにすべての機能を集約してWi-Fiのみの接続ですぐに使えれば利便性が高いと考えています。構築してはおりませんがapache2,mariaDB,PHP7を(または統合ソフトのLAMP)インストールすることにより常時稼働するパソコンが不用になり,機器1つで完結できます。しかし複数のRaspberry Piから情報を取得,分析するのが難しくなります。使用者の技術の習得状況や環境に合わせてこのあと提示する構成例をもとに方向性を模索してください。5.1 構成例1(RaspberryPi1台で運用)プログラムで通信対象が自身のRaspberry Piになるので通信が切れても動きますし,Webブラウザーで確認するだけなので台数を増やしたり,減らしたりするのは容易になりますが複数の情報を1つに集めて分析するには手間がかかります。まずは1台でもデータ化したい場合に向いております。3.システムを活用した人材育成においてのポイント4.具体的な想定展開例5.システムの応用例

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