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図1 受講者による講習評価の流れ福岡県立福岡高等技術専門校訓練第二課 奥居 一八福岡県職業能力開発協会技能検定第2課 川畑 真也講習は,講師の一方通行のものだけでは成立しない。講義が受講者と講師との共同作業であるとすれば,講師は常に受講する側がどのように受け止めているかを知る必要があると考える。講義の目的がどこまで達成されたか,採用した指導方法がどの程度適切で効果的であったか,受講者はどこまで目標に到達したかなどについて,何らかの形で客観的な「講習評価」を行い改善点について明確にする必要がある[1]。今回報告するのは,厚生労働大臣が指定する講習(通称48時間講習)「職業訓練原理」における受講者による評価である。講習は,主体的当事者である受講者の状況や意向を考慮したうえでなければならない。受講者が持ち込む問題や批判から,講師自身の考え方の不備な点を知り,講習を改善するための手掛かりとして使うことを考えた。これは,講習改善の手掛かりとして,受講者から直接的な講習評価を得ようとするものである。講習活動のあり方についての評価は,誰か外部の観察者を設けて評価してもらうという方法を用いてもいいが,最も簡便かつ効果的なのは,そこに参加している受講者に評価してもらうことである。-27-受講者による講習評価の目的は,受講者によって指摘された各種の事項を参考にして,講師が講習の改善に役立てることにある。これは「講師を評価」するのではなく,「講習を評価」するものであり,あくまでも講師が「講習を改善するための資料とするもの」と位置付ける。講習評価アンケートを作成し,受講者によりアンケートを記入してもらう。アンケートを回収・集計し,講習の問題点を明確にする。それを基に講習の改善を行う(図1)。実施は,講習終了後に行い,その結果を見て,その後の講習展開の改善資料として活かしていく。1.はじめに2.受講者による講習評価の目的3.評価の実施方法-厚生労働大臣が指定する講習(通称48時間講習)「職業訓練原理」における-受講者による講習評価の実施

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