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図6 方角板から方向表示機へまた,zenは国内・アメリカ・中国で特許を取得しています。また,その他ヨーロッパ各国に申請中であり,現在も特許申請を絶えず出願し続けています。2.2 天井クレーン事故を防ぐ2つ目の手段   「周囲の作業者を守る!」現在,操作員が東西南北の方角を知るには,操作員の経験に伴う“勘”または天井クレーン本体に備わる東西南北が印刷された鉄板を確認するしか方法はありません。また,その周囲に居る作業者が,これから天井クレーンが移動する方向を知るには操作員による指差呼称しか術はありませんでした。そのため図5のようにその操作員が指差呼称を間違え,周囲の作業者を巻き込む事故が起きていました。道路の交差点に備わる信号機を例えとすると,信号機は交差点の頭上に設置されています。頭上に設置される理由は,運転手だけでなく歩行者,自転車など交差点に進入する皆の為にあります。同じように,工場にも天井クレーン本体に周囲から進行方向が視認可能な方向表示機(図6)を設置することで,リアルタイムに予め移動する前に天井クレーンの進行方向を表示することにより,操作員も周囲の作業員も“これから動くであろう方向”を,表示と音声(北へ進みます)で知ることが出来ます。例えば,ベテラン操作員が休んだときに代替人が操作すると,慣れていないため危険この上なく困っている現場に直面したことが良くあります。(出典 日本クレーン協会:「クレーン年鑑」)図5 天井クレーン事故例②-15-また,昨今の労働者不足の為,外国人の派遣労働者が天井クレーンを操作しているのをよく見かけます。そのとき言語の問題から意思疎通ができなく安全教育が上手く伝わらないことがあり,現状の天井クレーンコントローラでは操作が難しく間違った操作をしてしまい事故の危険性が高まります。そのような代替人でも,外国人でも,人間工学に則ったzenと表示機があれば安全に簡単に操作できます。2.3 天井クレーン事故を防ぐ3つ目の手段 今後,その得られたバックアップデータにより事  「走行状況をバックアップし教育訓練に!」図7のように天井クレーンの走行情報をバックアップすることにより,天井クレーンの使用環境情報を時間軸で知ることができます。万が一不幸に事故が起きた場合にも,「なぜ事故に至ったのか」「事故の予兆を捉えることはできないか」などを検証できると考えます。

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