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<関連資料>-28-・事典東南アジア:京都大学東南アジア研究センター編,弘文堂,1997・新版 東南アジアを知る事典:桃木至朗他,平凡社,2008・フィリピンの事典:石井米雄他,同朋舎,1992・フィリピンにおける職業訓練の概要:吉田,松浦 職業能力開発総合大学校紀要,第42号,2013・現代フィリピンを知るための60章:大野卓司,明石書店,2001・フィリピンの工業化:福島光丘,アジア経済研究所,1990 (問題点)・電力不足。・エネルギーの90%を占める石油は輸入依存。・省エネへの意識・対策が不足。・省エネ技術はまだこれから。まとめ (可能性)・生物資源は豊富。・農業開発は今後も成長産業。・生物多様性で薬品開発が活発化。利益の地元還元が問題。・鉱物資源(金,銀,銅,ニッケル,コバルト,マンガン等)は豊富。その他に石材(大理石),アスベスト,ドロマイテ。2.12 気候・風土PH諸島は,全域が北緯20度以下の低緯度に位置し,しかも28度以上の温かい海水域に囲まれているため,年中高温多湿の気候下にある。気温は年間を通じて平均して25度から29度で,湿度は70〜80%程度である。四季はなく雨季と乾季の二季である。年間降水量は2000〜3000ミリの地域が多いが,最も多いところでバギオ付近,ミンダナオ島東岸で4500ミリ,最も少ないところでミンダナオ島南岸の1000ミリ弱である。降水の季節変化により気候区を分けると,年中無乾季・冬多雨季(諸島部東岸特に南部),夏雨季・冬乾季(諸島部西岸特に北部),春(2〜4月)乾季・無多雨季(上記の地域の中間地帯),年中無乾季・無雨季(ミンダナオ島中南部)の4気候帯になる。台風は従来,ルソン島の東で生まれ太平洋を北上し温かい水分を含み巨大化し,中国,韓国,日本を襲っていたが,海面上昇の影響か太平洋上で生まれ,PHの東側から北上するようになった。また,PHは火山国であり,1991年にはサンバレス州のピナツボ火山が600年ぶりに大噴火し多くの被害を出した。最近では,ビコール地方のマヨン火山が大噴火を起こし,多くの住民が避難を余儀なくされた。このようにPHは自然に恵まれるも,自然災害も多い国である。まとめ (可能性)・年間を通じて温暖で過ごしやすい。・自然環境,海洋資源に恵まれている。・年間を通じて農業生産が可能で,多収穫が可能。(問題点)・台風や高潮,熱帯低気圧などの影響が大きい。PHの職業教育を考える上で,以下のようなことが提言できる。・教育体系全体の問題である。国民の就学の状況を見れば,大多数の子供は職業に就かざるを得ない。・教育全体の改革が進行中であり,今後の各種提案,改革を期待したい。・PH全体の高い失業率を考えると成人,大卒者にも適切な職業教育の受講機会が必要である。・英語圏であるメリットを最大限生かした教育システムが必要。・キリスト教を精神的,倫理的バックボーンとして持つ国民のアイデンティティである。・各地域の産業特性に合った職業教育が必要。・連邦制の確立と地域特性の職業教育体制が望まれる。・各レベルに仕上がり像を設定し,技能・技術の統一した評価制度が必要。・国の政策の上に民間イニシャティブな展開が好ましい。・職業教育の調査研究機関の創設が必要。3.おわりに

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