4/2018
20/36

<参考文献>近年,製品やシステムをとりまくサービスや,ウェブサイト,スマートフォンのアプリケーション,人工知能,IoTなど,さまざまな分野で人間中心設計が注目されています。しかし,人間中心設計の専門スキルを持つ人材はまだ少なく,企業においても,専門人材をどのように育成・確保していけばよいか,ノウハウが不足しています。同じように,人間中心設計の従事者自身も,専門スキルの客観的な保証を得ることが難しい状態にあり,人間中心設計の専門スキルを客観的に認定する制度へのニーズが高まっています。このような背景から,「人間中心設計専門家」「人間中心設計スペシャリスト」認定資格は,これまで数多くの企業や教育機関から好評を受けています。認定者の多くは,人間中心設計,ユーザーエクスペリエンス設計,ユーザビリティ評価,サービスデザイン,システム開発,Web制作,ユーザーリサーチ,テクニカルライティングなどの実践家や研究者として,第一線で活躍しています。試験方法は,「人間中心設計専門家」「人間中心設計スペシャリスト」のいずれも,受験者が過去に取り組んできた人間中心設計やユーザーエクスペリエンス設計,ユーザビリティの活動を申請書に記入し,その記述内容によって,専門家としてふさわし-18-[1] 「電子政府ユーザビリティガイドライン」 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/guide/security/kaisai_h21/dai37/h210701gl.pdf[2] 「ユーザビリティ専門家に必要とされるコンピタンスに関する研究」http://ci.nii.ac.jp/naid/500000351452 [3] 山崎,松原,竹内,黒須,八木(2016),人間中心設計入門(HCDライブラリー 第0巻)いコンピタンス(専門性)の「実践」の有無を審査する書類審査です。実績にもとづく試験のため,専門スキルの保有を客観的に証明できます。企業にとっては,人材の専門スキルについて第三者の客観的な保証を得ることができ,受験者にとっても,企業内で評価されやすい資格となります。資格の受験申し込みは,毎年1回,11月後半から12月後半にかけて行われます。毎年,多くの受験者からの申し込みがあり,受験者は右肩上がりに伸びています。HCD-Netは「人間中心設計専門家」「人間中心設計スペシャリスト」の認定資格制度を通じて,社会における人材の育成を促進し,人間中心設計の適切な発展に貢献していきます。HCD-Net Webサイト: https://www.hcdnet.org/

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る