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図4 製作したキー入力記録機器(PS/2コネクタ用)図5 製作したキー入力記録機器(USBコネクタ用)ば,キー入力のスピードアップに寄与することができると思われる。3.2.2 二種類のキー入力記録機器現在市販されている主なキーボードは,PS/2コネクタおよびUSBコネクタの2種類がある。最近のデスクトップ型パソコンのキーボードはUSBコネクタのものが主流であり,吉備職リハで使用されているキーボードもUSBコネクタのものである。まず,図4に示すようにマイコンで制御しやすいPS/2コネクタのキーボードによるキー入力記録機器を製作した。PS/2対応のものは,早い段階でキー入力記録機器のプロトタイプとして製作し,吉備職リハで具体的仕様の決定を行った。そして,図5に示すようなUSBコネクタのキーボードに対応したキー入力記録機器を製作した。製作したキー入力記録機器は,アルファベットキーおよび制御キーの打鍵データの保存が可能である。-20-上肢の障害の程度によって入力速度が初期目標に到達できずにいる訓練生を支援するために,次の3点に着目して,タッチタイピングメソッドの検討を行った。1.タッチタイピングに必要な練習の洗い出し2.入力練習で使う文章の特性の調査3.対象となる訓練生のタイピングの傾向の調査タッチタイピングに必要な訓練として,キーボード操作の範囲における指の準備運動としての練習の必要性とキー配置を習得するための練習について提案した。とくにキー配置を習得するための練習については,「AからZの入力練習」,「単語とフレーズの入力練習」,「文字変換のための入力練習」,「ショートカットキーの入力練習」,4つの練習を提案した。入力練習で使用する文章の特性の調査については,吉備職リハで使用している入力問題で調査を行った。図2に示すように,頻出文字を整理することで,タッチタイピングにおいて打鍵する指(以下,「打鍵指」という。)との対応が明らかになった。左小指が最も多く,次いで右示指,右中指,右薬指がよく使用する打鍵指である。これらの指の動きに制限がある場合は,既存のタイピング練習ソフトにおける運指が困難であることが容易に予想できる。このことが既存のタイピング練習ソフトを使用しないひとつの要因であると考えられる。対象となる訓練生のタッチタイピングの傾向調査については,現在,AからZまでの入力練習において打鍵ミスおよび,それぞれのキーにおける打鍵スピードのデータを収集中である。入力問題の傾向として,図2に示すように,左手側より右手側の打鍵による文字数の割合が大きい。このことは,右手側で打鍵する回数が左手側で打鍵する回数より多いことを示している。上肢障害特性によって,打鍵回数の多い指の動きに制限があると,自己流の入力方法となり,その入力方法が文章の入力に時間を要する要因になっていると思われ4.まとめ

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