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ている。例えば,「社会人基礎講習」としてマナー講習やパソコンの操作方法,訓練内容に関連する基礎知識の習得を促す講習等を盛り込んだコースや,「企業実習」として事業所の協力を得て約1か月間の職場体験を実施し,その後施設内でフォローアップを実施する若年者を対象としたコースがある。カリキュラム以外の部分においては,入所直後から修了まで,施設内で段階的に就職支援を実施している。その内容としては,①指導員や就職支援アドバイザーによる個別の就職相談,②就職活動の進め方や応募書類の作成,模擬面接等の情報提供を行う「就職活動パワーアップセミナー」,③受講者を対象とした求人情報の提供,④受講者の就職希望情報の事業所への提供による就職斡旋,⑤事業所の求人担当者を招いて施設内で実施する「求人企業説明会」がある。2.2 大阪府内の事業所における女性従業員・ 技能者へのニーズポリテク関西における受講者は,性別にかかわりなく,大阪府内の企業へ就職を希望する者が大多数を占めている。ポリテク関西においては,平成26年3月に,大阪府内におけるものづくり分野の事業所1,730社を対象として,女性の就業促進に向けたニーズ調査を実施した。調査はアンケートにより実施し,主な調査項目は,「①女性が活躍している部門」,「②女性従業員等に求める具体的なスキル」,「③生産現場への女性の配置状況と今後の増員計画」の3点であった。調査の結果,女性が活躍している部門は,「人事・総務・経理」(240社,96.4%),「生産」(114社,69.5%),「情報処理」(99社,66.4%)であり,女性従業員等に求める具体的なスキルは多いものから順に,「スピード・正確さ・反復定型業務の根気強さ・丁寧さ・器用さ」,「男性と異なる目線や感性の柔軟な発想力・想像力」であることが分かった[2]。また,今後の女性の配置及び採用については,53.7%の企業が,女性の採用を「進めている」「今後進めたいと考えている」と回答しており,配置-5-や採用を増やしたい部門は「研究・開発・設計」(37.3%),「生産」(34.3%),「情報処理」(34.2%)であった[3]。この結果から,大阪府内の事業所では,ポリテク関西で実施する訓練内容と関連の深い部門で女性従業員が活躍しており,今後も配置や採用により増員が計画されていること,また,男性とは異なる職業能力が求められていることが確認できた。2.3 女性受講者を対象とした就職支援の取組み2.3.1 平成26年度「女子会」の開催女性受講者を対象者とした就職支援として,ポリテク関西においては,全受講者を対象とした就職支援の取組みに加え,女性受講者向けのセミナーを実施している。また,開催当初の時期から平成28年度に至るまで,次回のセミナーの企画立案に活用するため,参加者を対象としてアンケートを実施している。その項目は,①セミナーへ参加した感想・意見,②今後のセミナーへ期待すること,の2項目である。これまでの取組みを振り返り,女性受講者を対象とした就職支援のあり方を検討するため,セミナーの実施状況とアンケート結果を概観する。女性受講者を対象者としたセミナーは,平成26年度に初めて,受講者係の事務職員が指導課長,女性の指導員,就職支援アドバイザーの助言と承認を得た上で企画・開催した。実施の目的は,受講する訓練コースを超えた女性受講者同士の交流の場の確保であり,企画の内容は,受講者がいくつかのグループに分かれ,テーマを指定しない自由な会話による情報交換を行うものであった。実施にあたり,参加者の積極的な対話を促進する目的で,ポリテク関西の女性職員(指導員,就職支援アドバイザー,事務職員)を各グループに配置し,会話が行き詰ったときに,ファシリテーターとして話題の提供や助言を行うようにした。参加者の募集に当たっては,セミナー名,開催時間,開催場所を記載した開催案内チラシを作成し,の沿革

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