2/2018
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写真1 広告美術職種の選手,エキスパート,ワーク     ショップマネージャ等(前列右から5人目が筆者)写真2 TVETユースフォーラムに参加した学生(左二人目から穂高みのり氏,青木弓子氏,関根裕太氏,左端は引率の原圭吾教授,右端は筆者)伝えられていなかったことが,特定の国の選手にとり有利になるとされ問題となっていた。審判長またSCMの他の役割には,チーフエキスパート,副チーフエキスパートの選挙の管理がある。条件を満たし立候補したエキスパートによる電子投票を管理し,結果を競技運営委員会ディレクターに報告する。今回,チーフエキスパートが再選された。終わってみればアブダビ大会は,すべての職種で競技が実施され,何事も無かったかのようだが,実は大変なことが起きていた。競技を行うのに必要な部材,資材,機材のうち,大会組織が準備するもの,すなわちインフラリストがそろっていない職種がほとんどであった。大会期間開始前から心配されていたとおりとなった。このため,現地で必死に調達したり,代替品にしたり,競技課題を変更するか,あるいは課題そのものを取りやめる職種があった。大会初日を中止にした職種もあった。チョコレート300ポンドだったか,ドバイに買い付けに行くという話もあったし,「砂がない。」「いや砂漠にある。」「でも運ぶ人がいない。」という笑い話のような出来事もあった。結局,エキスパート達で解決した。会場の設営も遅れていた。SCMやチーフエキスパート自ら,電気配線や水周りの工事をしたという話も聞いた。仮設テントを設営したところでは,地面が平らでない,不陸が問題になっていた。突貫工-34-事で水平出しを間に合わせたとのことである。その他,ホテルは選手,エキスパートともに会場近くに配置され,サンパウロ大会のときのような,輸送の問題はなかった。エクスカージョン(小旅行)については選手もエキスパートも別日程で,デザート(砂漠)キャンプに行った。「らくだ」での移動や,トヨタのランドクルーザーに乗って砂漠走行を試した後,バイキング形式で食事をとるなど,アラブの生活を体験した。砂漠に沈む夕日は写真の中だけでなく参加者の心に残ったにちがいない。意外だったのは,砂漠とは言っても海に面しており,湿度がかなり高いことがある。朝方,靄が出たり,雨がぱらついたりということがあった。テントの上に水がたまり,それがパソコンの上に落ちてくるので養生してほしいという話もあった。地球温暖化のせいだろうか,後日,雨の季節,降水量が増えたとインターネットの記事で読んだ。アブダビ大会と並行して従前どおりカンファレンス(教育講演)が開かれた。さらに初めての試みとして世界の若者を集め,職業技術教育・訓練について議論するTVETユースフォーラムが2日間開催された。70か国から300人近くの若者が集った。日本からは職業能力開発総合大学校の学生3名が参加し貴重な体験をした。(写真2)8.アブダビ大会の四方山話9.TVETユースフォーラム

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