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図9 朝礼の風景(ポリテクセンター京都 生産管理実務科)図10 挨拶運動(ポリテクセンター京都 生産管理実務科)図11 掃除マニュアル(ポリテクセンター京都 生産管理実務科)「おはようございます。」と言葉をかける挨拶運動」が始まった(図10)。この活動の趣旨は,ポリテクセンターに通所している受講者同士が,毎朝元気に挨拶を交わすことで気持ち良く訓練を受講し,「全ての受講者が就職目標を果たせる様に」という発案者の思いからである。この活動は,休むことなく毎朝,約1年半の間,継続された。また,別の受講者からは,清潔な訓練環境を保つために,受講者が担当している掃除箇所(教室2ヶ所,廊下,階段,男子トイレ)の掃除マニュアル(掃除箇所毎にA3サイズで1枚)を作成(図11)し,掃除箇所の壁に貼って,誰もが同じ方法で掃除ができるようにしようという提案があり,実行された。マニュアルは,現在も改定を加えられ,掃除を行っている。-17-3.3 指導員から受講者への就職支援(考察)我々指導員が受講者に対して行う就職支援は,先にも書いたが,個人に対して行う面談,書類の添削や模擬面接等を中心に展開する。また,複数人(クラス単位,希望者)に対するものは,就職講話やビジネスマナー等を施設(訓練課)の取組として行っていることが多い。いずれにしても受講者は受講期間中,受け身になりがちな環境に置かれる。しかし,訓練期間の後半に入り,受講者には就職活動のタイミングが訪れ,自らが主体となって就職活動を行うことになり,このギャップを埋める必要が出る。だが,我々が就職試験の場でできることはなく,受講者本人がやるしかない。上記(実践の部分)に挙げた事例は,どれも就職支援とは直接関係がないように思われるかもしれないが,そうではない。どの事例も5年以上前の就職が厳しい時に始まった活動であるが,その時も彼らは,今と変わらない結果を残している。我々は,それぞれの職業訓練の場で受講者に仕事の実務に必要な様々なスキル(技能・技術・知識)を習得してもらう。そして同時に,就職試験の場で必要なパワーも身に付けてもらう。職業訓練と就職活動を切り離さずに一体化した中で,スキルとパワーの要素をミックスしながら,バラバラである受講者の就職目標を突破できる職業訓練の場を作ることができれば,さらに効果的な職業訓練になる。我々だけでなく,受講者も様々な場面で積極的に職業訓練の場を作る雰囲気づくり,このクラス運営の方法が我々の就職支援のひとつである。

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