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る数字である。そこで,就職率向上のために平成26年度,27年度に取り組んだことは,次の3点である。①修了時就職率の向上平成25年度修了時就職率が40%を下回っていたため,50%を目標とすることを就職促進委員会で明示。②就職実績のグラフ化と施設全体の実績の明示コースごとに修了時,1ヶ月後,2ヶ月後,3ヶ月後の実績を一覧形式で報告されていた就職実績に加え,積み上げグラフで明示。月2回以上就職促進委員会やメールにより,コースごとの就職実績と施設全体の就職実績,いずれも現況を提供。③入所日から就職に向けた意識啓発入所式後に行っている職員紹介において,確認と連絡に加え,修了生からのメッセージを伝達。全体オリエンテーションで,就職活動成功の6ステップ,就職支援の内容,就職活動のスケジュール,ジョブ・カードについて説明。[説明内容等]・ 新たなスキルを身に付けて就職するために,ポリテクセンターに来られたことを受講者に確認・ 私たちができるのは,あくまでも「支援」であり,自ら行動していただく必要があること,指導員と就職支援のスタッフが連携・協力して支援するため,情報を共有することがあることを連絡・ 修了1ヶ月後に就職活動中の20代男性から預かった以下のメッセージを伝達「入所日に職員のみなさんから「修了時までに就職決定しよう」と言われ,その意味が今わかりました。自分がこんな気持ちになるなんて思いませんでした。これから受講する人に同じ思いをして欲しくないので,入所日にこのことを伝えて欲しい。」・ 就職活動成功の6ステップの説明6ステップの説明に加え,6ステップには「就職」という文字はないこと,よって,「就職」がゴールではなく,職場や仕事に適応することが大事で,そのためには,「自己理解」「仕事理解」が特に重要であることを説明。これに続-13-上記①②により,関係職員が当事者として数字にコミットし,目標,現状,課題,危機感だけでなく,喜びや達成感も共有できたと思われる。また,上記③により,就職が目的であることを職員と受講者が共通認識し,受講者は,いつ・何をすればよいか,何から始めればよいかがわかり,就職活動に対する不安が減少することを,受講者それぞれの表情の変化から推量できる。就職率と修了時就職率は,平成26年度が87.8%,65.1%,平成27年度が91.8%,71.3%と向上した。ところが,定員充足率の改善に伴い,平成28年度にアドバイザーが3名から2名となった。平成28年度は,受講者第二係長がアドバイザー業務を兼務することで,従前どおりの就職支援体制を維持した。それと並行して,平成29年度から平成24年事務連絡に示された体制を構築できるよう,段階的に支援業務の主担当を担任に移行し,平成29年度からは,担任が主体的に就職支援を行い,アドバイザー等は担任の就職支援をバックアップする体制とした。その過程で取り組んだことは,次の3点である。①就職支援のノウハウの提供就職支援の経験の浅い指導員等には,ジョブ・カード相談の準備から手交までの流れ,相談のルールやポイント,助言すべきことを説明。担任の要請により,アドバイザー等がジョブ・カード相談や後半の個人面談に同席してサポート。指導員を対象に,公開求職者情報原稿作成の手順や留意事項に関する説明会を開催。②就職に向けて課題があると思われる受講者の誘導ジョブ・カード相談や個人面談の実施前・実施後に状況を確認し,就職に向けて問題・課題があると思われる受講者については,担任から受講者にアドバイザー等との相談を勧奨。ケースや課題に応じて,受講者第二係長が担当を調整。方向性が定まらない受講者や訓練の受講が進むにつれて訓練関連職種以外への就職希望が強くなった受講者については,アドバイザーがキャリアコンサルけて,自己理解・仕事理解のツールとしてジョブ・カードを紹介。

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