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図8 全方向移動ロボットプロトタイプ[ARゴーグルの首フリと連動するモータ付カメラ]図9 首フリ機能図10 首フリ機能のカメラ映像①アプリケーション開発を行う際,新しい機能を追加しようとプログラムを調べたが,調べ方がわからず苦労した。②アプリケーション開発に重きをおきすぎて制御用機器の組立てが計画通り進まなかった。③学生全員で作業し,内容を把握しているためスクラムボードがいらない。指導員がプロトタイプに役立つサンプルプログラムを提供した際,仕組みについてプログラムの内容のみ説明していた。結果的に,これだけでは不十分であった。すなわち,指導員がサンプルを作成する際,書籍やインターネットで調べる様からやってみせ,調べ方まで指導する必要があった。また,制御用機器の精度調整が間に合わなかった。直球は命中率が95%以上だったが,カーブやシンカーなどは命中率50%ほどとなった。この点はハードウェア専門の学生が必要だと判断した。スクラムボードについては,学生が言うようにチーム内が3名だったのでデイリースクラムで把握は十分だった。来年度は,これらの事を踏まえて学生に考えさせる必要があると判断した。4.3 全方向移動ロボットの開発経緯平成28年度には総合制作の学生3名からVR(仮想現実),AR(拡張現実)を利用した移動体の制作がしたいと要望が上がった。現在,スマートフォンを利用した次世代製品としてVR(仮想現実),AR(拡張現実)技術が浸透しはじめている。その中でARを組み合わせた移動ロボットがリリースプランニングにより企画された。まず,1スプリント目の前に,首フリの機構をどのようにするかを検討した。ここは未知の部分が多かったため,学生とともに開発を行った。図8,9,10に構築結果を示す。スマホ(Android)にあるジャイロセンサーから角速度を取得し,そこから積分プログラムにより角度を算出した。その結果を,マイコン(Raspberry Pi)に送り,カメラを設置している2軸のサーボモータの制御を行って首ふりを実現した。これを基に地元の一流メーカ179社が集う「いわた産業振興フェア」の農業ブースへの出展が決まっ-4-ていたため,本制作物を出展した。利用者からは高評価を得ることができた。一番の評価は新規技術を適用した効果により中日新聞に掲載されたことである。本制作物が新聞に掲載されたことで学生のモチベーションが向上した。その後のスプリントの経過を図11に示す。農業用ドローンへの搭載が検討されたが,残りの短い開発期間から難しいと判断した。そこで,警備ロボットや撮影ロボットで利用しているオムニホイールという全方位移動可能なタイヤで制作しようと学生から提案があり,制作物に3基設

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