1/2018
29/40

図6 派遣選手数の多い都府県の職種分野構成これに対し,競技課題に当日公表が含まれる職種では,参加選手数が多い場合でも一堂に会して競技を実施する必要があった。同表のメカトロニクス,電子機器組立て,機械製図等がこれに該当する職種である。ところで,表2の42職種の参加選手に関しては,都道府県が人数を適切に配分して派遣しているわけではない。実情は都道府県の産業構造に大きく依存しているものと想像される。そこで,先に掲げた表1の5分野2系の割合を,図4に掲げた派遣人数の多い10都府県について詳細に調べた結果が図6である。ここで,同図の最下欄の「選手数全体」とは,表1に示した分野の職種数を42職種中に対する割合で示したもので,もし都道府県が人数を比例配分して派遣できるならば,いわゆる理想的な標準割合に相当する。同図を見るとわかるように,愛知県,茨城県,神奈川県,長野県,大阪府,静岡県では機械分野(機械系と金属系の和)が40%以上を占めている。その反対に,機械分野を除く他分野の総和が多いのは,栃木県,埼玉県,東京都,沖縄県である。さらに,埼玉県は建築・建設分野が約50%を占め,東京都と静岡県はサービス・ファッション分野が40%を上回っている。したがって,これらの都府県では,割合の多い職種分野において相互に白熱した競技が行われたものと推察される。なお,理想的な標準割合になっている都府県は見られないが,強いて挙げれば,長野県選手団がおおよそ近い分野構成であると指摘できよう。11月27日(月)の午前9時半から開催された閉会式において,全42職種の選手成績と都道府県選手団の成績の発表及び表彰が行われた。この表彰式は,競技結果が選手や選手団に会場で初めて知らされる「サプライズ方式」であった。全国大会の表彰対象は次のとおりである。1)各職種の選手個人を対象とした表彰競技成績が優秀な選手個人には主催者賞及び厚生労働大臣賞が授与される。主催者賞(賞状及びメダ-27-ル)には第1位から第3位の者に授与する金賞,銀賞,銅賞と,第3位の成績に準ずる者に授与する敢闘賞があり,金賞受賞者のみが厚生労働大臣賞(盾)の表彰対象となる。栃木県大会では42職種の競技が実施され,このうちメカトロニクスと移動式ロボットの2職種が2名1組の競技であるため,金賞と厚生労働大臣賞の対象者数は44人であった。銀賞から敢闘賞までは,成績状況に応じて複数名が受賞対象になる場合や,該当者なしの場合がある。2)都道府県選手団を対象とした表彰選手団の成績は,派遣した選手が受賞した主催者賞の個数を基にして評価され,成績に応じた賞(賞状と盾)が授与される。これらの賞には4種類があり,最も優秀な成績を収めた選手団(単一)を対象とした最優秀技能選手団賞(厚生労働大臣賞),優秀な成績を収めた選手団(複数)を対象とした優秀技能選手団賞(厚生労働省人材開発統括官賞),これらに次ぐ上位成績を収めた選手団(複数)を対象とし3.競技成績と都道府県の活躍状況

元のページ  ../index.html#29

このブックを見る