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図3 PLC課題の機器構成す。図2の中央右側に設置されているPLCは,シーメンス株式会社から提供されている。この課題は2.2kWの三相誘導電動機2台を負荷とするミキシング制御装置である。図1および図2から分かるように製作に必要な技能要素としては,ケガキ,ドリルによる穴あけ加工,タップ加工,DINレールや配線ダクトの加工,配線および配線の端末処理(圧着端子),はんだ付け,動作試験などが含まれる。これらの作業に使用する持参工具には全て市販品が指定されており,工具を加工等により機能改善することは禁止されている。競技時間は標準時間が4時間,延長時間が40分となっている。2.2 PLC課題PLC課題は,課題用負荷装置(制御対象)と選手が持参したPLCを用いて,競技当日に与えられた動作仕様を満足するようにラダープログラム(SFC言語による併用が可能。)を作成する課題である。競技時間は2時間となっている。課題用負荷装置として,株式会社新興技術研究所から提供されたメカトロシミュレータV2を使用している。この機器は,Windows上で動作するメカトロ機器の制御シミュレータであり,インタフェースボックスを介してPLCと接続することで,モジュールを組合せた機械装置や制御システムをパソコン画面上に実現できる。負荷装置例として2016年の第54回全国大会で使用した機器構成を図3に示す。この課題は,ピック&プレイス(P&P)がワークの搬送を行い,ベルトコンベア(BC1~BC3)およびシリンダ(CY1~CY3)がワークの加工および搬出を行う機器を模擬している。また,これらの他に負荷装置として,押しボタン,ロータリースイッチ,表示灯,7セグメントLEDを使用した外部ボックスがPLCに接続されており,PLCのI/O点数は,入力,出力とも32点以上が必要となっている。これらの機器の構成,動作方向と停止位置および入出力割付については事前に公表され,競技当日には手動動作,自動動作および動作条件に関する課題内容が提示される。提示された動作を実現するため-21-には2500ステップ程度のラダープログラムが必要となっている。PLC課題に必要な技能要素としては,ラダープログラムの作成・入力のほかに,フローチャートやタイミングチャートの解読が求められる。2.3 電気設備異常診断課題電気設備異常診断課題は,排水ポンプ制御装置に設定された異常箇所とその内容を特定する課題である。作業時間は20分となっている。設定される異常の範囲は,制御盤内に設置された補助継電器または限時継電器の器具異常あるいは制御配線のいずれか1箇所である。器具異常の場合にはコイルの断線などの異常内容を特定する必要がある。異常の診断には選手が持参したテスタまたは検電器が使用できる。2.4 採点基準採点基準は,事前に公表される課題と同時期に参加選手に公開されるが,詳細な採点基準については公表されていない。公表されている競技課題ごとの配点と採点方式を表1に示す。競技職種の主課題となる配電盤・制御盤課題は,全体の65%の配点で,減点方式で採点される。その中でも配点の大きな割合を占める項目が組立技術と配線・電子技術である。組立技術では,コントロールボックス,レールおよびダクトの加工不良,器具

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