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図1 文部科学省学校基本調査報告より抜粋育機関の卒業生像に職業的な実践力を求める傾向が高まっている。そういった中,専門学校は,「職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し,又は教養の向上を図る」ことを目的としており,現在18歳人口の約20%が進学している(図1)。専門学校においては,実習を主体とした職業教育が盛んに行われており,実務を経験した教員により実践的な知識・技能の育成,その成果としての職業資格の取得,学んだ分野に関連する企業への高い就職率等,職業に直結する教育機関として職業的な即戦力となる人材づくりに成果を上げている。しかし,専門学校は,専修学校制度の中に位置づけられており,設置主体の限定がなく,設置運営等に関する法令の定めがゆるやかであるなどの制度的特性を有している。この特性をいかして産業界等のニーズに即応した柔軟な職業教育を展開できるという強みを有している反面,大学・短大と比べ,全体的な質の担保の面で課題があり,その教育の質について各校毎の差異が大きいという指摘がある。-38-専修学校は全般的にみれば,学校評価の実施・公表状況は芳しくなく,また,情報公開等も必ずしも進んでおらず,専修学校の取り組みが外からは見えづらいとの指摘も多い。社会が急速に変化する中で,どのように教育内容を充実し,その情報を適切に発信していくかということが課題となっており,情報公開等を促す支援も含め,学校評価・情報公開の充実に向けた取り組みは,専修学校の質保証・向上において,今後一層重要である。そのような背景の中「平成25年7月12日 専修学校の質保証・向上に関する調査研究協力者会議報告」における提言等を踏まえ,「専修学校の専門課程における職業実践専門課程の認定に関する規程(平成25年文部科学大臣告示第133号)」が平成25年8月30日に公布・施行された。職業実践専門課程は,企業等との密接な連携のもとで,教育課程の編成や実習・演習の実施,教員研3.職業実践専門課程の創設とその取り組み

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