4/2017
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表1 基本命令図2 迷路ゲームEtoys」を作っている(5)。これは一般ユーザー向けビジュアルスクリプト言語で,これを参考に開発された「Scratch」は現在多くの学校で使われ,2016年7月時点で,「Scratch」の世界の登録ユーザーは約1286万人,日本の登録利用者数は約11万1818人と急増している。3.1 教員免許更新制講習への取り組み教員免許更新制は,2009年から導入された。目的は,一定期間ごとに教員が技術や知識を獲得する機会が得られること,また教員の質を維持すること等である。新指導要領では,小学校でプログラミングが必修化される。また,コンピュータを消費者としてではなく生産者として活用するためにも,プログラミング言語について理解を深めることが,これからの教員に求められている。本演習は,2017年夏の教員免許更新制講習で教員の技術と知識の獲得へ向け,「コンピュータと会話しながらプログラミングに挑戦」のタイトルで開講した。学習の目的は以下の4項目である。①インタプリタとの対話を体得する②プログラミング的な思考の体験③教科指導でプログラミングの可能性を理解④プログラミングを身近に感じるである。更に,プログラミング言語を英語などと同じような言語としてとらえ,プログラミングの仕組みや,プログラミング的な思考について体験的に修得していく。学校教育でどのように展開したらいいのかについても具体的なWeb教材を制作しながら理解を深める。実習には日本語でプログラミングのできる対話型のLOGO言語を使う(6)。3.2 LOGO・マイクロワールドEXLOGOは1967年に数学教育用プログラミング言語として開発された。現在は日本語のコマンドを使うことができるため,理解しやすく,思考力を伸ばしながら,プログラミングを体験することができる。-17-また,マイクロワールドEXはLOGOを基本形として,タートル(亀)だけでなく,マルチメディア機能をプログラムで操作できるので,アニメーション制作やマルチメディア作品制作を通じて,プログラミングの基本を学ぶことができる。基本的なLOGOの命令は表1に示すように,日本語である。図2は,迷路を車が通り,出口に向かうプログラムである(5)。3.3 教材教材1 スタックを考えるスタックは,最後に入力したデータが先に出力されるという特徴をもつ,データ構造の一種であり,3.教師教育へ向けたプログラミング学習事例

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