3/2017
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図1 ESDの基本的な考え方表1 通信機器の変化文化の各側面から学際的かつ総合的に取り組むことを中心とし,8つの項目が提示されている(図1)。ITを含む,科学技術の発展はこれらすべての活動を支える大きな原動力になる。日本では,1985年の通信自由化からの約30年間で,通信事業者の売上高は約4倍,ICT産業の市場規模は約3倍に拡大し,日本のICT産業は世界の経済成長に一貫して貢献してきている。このような事から,これまで説明してきたESDの活動は,IT化とともに念頭に入れていく必要がある。また,ネットショッピングやSNSなど,生活の中で人々が日常的に利用しているインターネットの歴史は僅か50年余りである。30年前の1985年には,日本の電信電話公社(NipponTelegraphandTelephonePublicCorporation)が民営化され,それまで独占市場であった国際通信市場に競争原理が導入された。また,通信サービスの低廉化や通信ネットワークの整備や高度化等を通じて様々な形でICT利活用を促し,国民生活の利便性を飛躍的に向上させることができた。これは,インターネット関連サービス等を含む多文部科学省日本ユネスコ国内委員会HPより-7-種多様な「ICT産業」の創出につながっている。しかし,IT化が進んでいる日本では,現在でも,TVによる情報収集がトップであるが,情報収集活動におけるネットの進展についての調査によると,2000年に1.7%であったインターネットの利用は2012年には30%まで伸びている。この数字から見ても私たちの生活を変化させ,思考や価値観までも変化させることは予想される。また,ビジネスにおいても,防災,防犯,教育分野等を中心にICT利活用事業の実施率は大きく上昇した。特に防災のポイントが大きい理由は,1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災,2011年3月11日の東日本大震災等が大きなきっかけとなっていることは言うまでもない。今後2020年の東京オリンピックへ向け観光分野の需要も増えると予想される。本研究では,ESDを基本理念と考え,キャリア教育にIT技術を組み込んだ指導を考えている。キャリア教育は社会と教育現場の融合が最も重要な点となることから,本研究では,企業のコミュニケーション活動である,コーポレートコミュニケーションを取り入れた。4.1 コーポレートコミュニケーション企業は,社会との相互コミュニケーションを通じて,「良い評価」「良いイメージ」を培うことを目的としたCorporateCommunication,コーポレートコ2014年度経済白書による調査報告より3.IT化4.コーポレートコミュニケーション

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